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高校野球 2022.08.19

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愛知工業大学名電高等学校

強力打線反撃及ばず 愛工大名電4強逃す

仙台育英に敗れ、肩を落とし引き揚げる愛工大名電ナイン=甲子園球場で

仙台育英に敗れ、肩を落とし引き揚げる愛工大名電ナイン=甲子園球場で

 甲子園球場で18日にあった第104回全国高校野球選手権大会の準々決勝で、県代表の愛工大名電は2-6で宮城の強豪・仙台育英に敗れた。41年前に並ぶ4強入りは果たせなかったが、最後まで諦めない選手らのプレーは甲子園の大観衆を魅了し、全国の舞台で確かな存在感を示した。

 苦しい試合だった。仙台育英に先行される一方、3回戦まで毎試合2けたの計40安打を放ってきた強力打線は、4回まで相手投手に抑えられ沈黙したまま。「諦めないで」。スタンドで野球部員たちに交じって見守った倉野光生監督の孫(9つ)が思いを込める。
 
 5、6、7回と安打で出塁するも併殺などで反撃の芽を断たれ、1点が遠い。それでも逆転を信じ、応援を続けるスタンド。主将有馬選手(3年)の中学の同級生16人も「まだまだこれから」とエール。その一人の生徒(18)は「試合を楽しんでと声をかけたい」。
 
 期待に応えるように8回表、有馬選手が内野安打で出塁。市橋選手(同)が右越え2塁打を放ってチャンスを広げると、代打河田選手(2年)の内野ゴロの間に有馬選手が生還して1点を返す。チームカラーの紫色であふれたスタンドが揺れる。市橋選手の兄、丘行(たかゆき)さん(25)は「体が小さくても、コツコツ練習した成果が出た」と喜ぶ。河田選手の父栄一郎さん(54)も「最低限の仕事をしてくれた」と表情を緩める。
 
 9回表にも主砲の山田選手(3年)の右越え2塁打で1点を返したが、反撃もここまで。スタンド前に整列した選手たちに、球場全体から大きな拍手が送られた。ナインは倉野光生監督の孫の憧れ。「みんなのようになりたい。名電に入って甲子園に出る」。今年の夏は終わっても、闘志は確かに受け継がれている。 (高田みのり)

愛工大名電 000 000 011|2
仙台育英  122 010 00x|6
(愛)有馬、岩瀬、山田-藤山
(仙)斎藤蓉、古川-尾形

(2022年8月19日 中日新聞朝刊県内版より)

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