■高校野球愛知大会　マネジャー　ノックに参加

　今春共学化した一宮市の修文学院高校（旧修文女子高）が、７月の全国高校野球選手権愛知大会に初出場する。選手は今年入学した１年生男子１０人のみで、５人の女子マネジャーも練習をサポート。グラウンドの確保に苦労しながらも、懸命に初舞台を目指している。（猿渡健留）

　「良いスイングだ」「うまくなったな」。高校の隣にある修文大のテニスコートで素振りをする選手たちに、監督の唐井正臣教諭（４８）が優しく声をかける。校内には野球部が常時使えるグラウンドがなく、練習場所は流動的。週に２日ほど市営球場を借りるときを除くと、他の部活動が始まる前にグラウンド脇でノックをするなど、十分に練習ができない日も多い。

　同校は約８０年、女子校としての歴史があったが、今年４月に共学化したのに伴い野球部も発足させた。入部した１０人の選手のうち１人は未経験者だが、チームメートに球の投げ方を教えてもらうなどして、和気あいあいと練習している。

　選手が少ないので、女子マネジャーもキャッチボールやノックに参加する。その１人、２年生の女子生徒（１６）は中学時代、野球部で男子に交じってプレーしていた。「野球に何とか関わりたくて入部した。みんな仲も良くてすごく楽しい」と充実ぶりをうかがわせる。

　元高校球児だった唐井教諭にとっても、野球部の指導は念願だった。１年生チームは体力や経験で見劣りし、練習試合でも未勝利。それでも「だんだん試合にも慣れてきた。たくさん経験をして、一生に一度の高校野球を思い切りプレーしてほしい」と成長に期待する。

　主将の男子生徒（１５）は「みんなに積極的に声をかけて、良い雰囲気をつくりたい。まずは１勝を目指す」と抱負を語る。多くの生徒が応援しており、大会では吹奏楽部がスタンドで後押しする。栗本整校長（６６）は「共学化した以上、野球部は部活動の象徴になると思う。来年、再来年も見据えて頑張ってほしい。夢は甲子園」と話す。大会は７月２日に開幕する。

（2022年6月16日　中日新聞朝刊県内総合版より）