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お知らせ 2021.08.21

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名古屋経済大学市邨高等学校

カンボジアに布マスクを 名経大市邨高有志 今年も募る

「カンボジアに手作りの布マスクを」と呼び掛ける山本さん(右)と平生さん=千種区の名古屋経済大市邨高で

「カンボジアに手作りの布マスクを」と呼び掛ける山本さん(右)と平生さん=千種区の名古屋経済大市邨高で

■不織布10枚100円でも…暮らし直撃

 新型コロナウイルスからカンボジアの農村部で暮らす人たちを守ろうと、名古屋経済大市邨高校(千種区)の一部生徒でつくる「SDGs(エスディージーズ)有志メンバー」が今年も手作りの布マスクを募っている。現地では新規感染者が急増しているが、経済的理由でマスクの入手が困難という。「少しでも協力してもらえたら」と呼び掛ける。(小松原康平)

 社会科で松野至教諭(41)から難民問題について学んだのがきっかけ。1~3年の約10人が野球部やハンドボール部、ダンス部などの部活動と両立させながら主に難民支援のボランティア活動に取り組んでいる。SDGsは「貧困をなくそう」など国連が掲げる「持続可能な開発目標」の英語表記の略称。

 授業を通じて貧困世帯が集中するカンボジア農村部で小学校・幼稚園の建設など子どもの教育支援を続ける日本人男性と出会い、オンラインによる勉強会をほぼ毎月開く。昨年始まったコロナ禍で「住民は1日200円で生活しているのに、不織布マスク4枚が200円では手が出ない」と聞き、活動を開始。校外にも協力を求め、布マスクを3000枚超送った。

 今年の勉強会でカンボジアでも感染が急拡大していることを知った。「不織布マスク10枚100円と価格は落ち着いたが、住民の生活を圧迫する状況は変わらない」と男性。メンバーたちは昨年同様、不用になった自宅の布でマスクを作る一方、校内放送やウェブサイトでアピールすることに。

 共感した在校生や地元住民をはじめ北海道や奈良、埼玉県などからも「力になれたら」と寄せられているが、8月20日現在で498枚と、昨年の6分の1。メンバー代表でともに3年の男子生徒(18)と女子生徒(17)は「10月初めにはマスクを届け、現地の皆さんの笑顔が見たい」と支援を訴える。

 安全な水で感染予防をしてもらうため、男性が建設した小学校に手洗い場を設ける費用も募っている。詳しくは名経大市邨高の関連ウェブサイト=「市邨」「マスク支援」で検索。

(2021年8月21日 中日新聞朝刊市民総合版より)
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