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お知らせ 2021.08.17

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同朋高等学校

戦争体験伝えた故近藤さん 活動しのび 記録映画上映

参加者を前に近藤さんの体験を継承する大切さを話す高校生=名古屋市東区の市民ギャラリー矢田で

参加者を前に近藤さんの体験を継承する大切さを話す高校生=名古屋市東区の市民ギャラリー矢田で

■同朋高放送部制作、名古屋で

 加害を含む戦場体験を伝えてきた旧日本軍の兵士の故近藤一(はじめ)さん=三重県桑名市=をしのぶ会が15日、名古屋市東区の市民ギャラリー矢田であった。同朋高校(名古屋市中村区)の放送部が近藤さんを取材したドキュメンタリー映像を上映するなどし、その活動や証言を振り返った。

 近藤さんは中国山西省や沖縄での約5年について講演などで語ってきた。当初は「理不尽な死を強いられた仲間のことを知ってほしい」と沖縄戦の惨状が中心だったが、銃剣で捕虜を突き刺す「刺殺訓練」など中国での加害も言及するようになる。老衰のため5月4日に101歳で亡くなった。

 同朋高は1992年からほぼ毎年、近藤さんを招いて体験を話してもらい、放送部がドキュメンタリー映像を複数制作した。上映後、放送部顧問の宮城道良教諭は、参加した市民ら約50人を前に「兵士の『加害者にさせられる被害』という面を考えることが重要ではないか」と訴えた。

 同高3年女子生徒は「近藤さんの体験を同世代に語り継いでいきたい」、日本福祉大付属高3年女子生徒は「無関心は怖い。社会で起きていることを知り、平和をつくっていきたい」と話した。

 この日まで開かれた「あいち・平和のための戦争展」の催し。上映作を含め「同朋高校放送部応援サイト」で視聴できる。 (諏訪慧)

(2021年8月17日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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