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お知らせ 2021.05.18

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愛知黎明高等学校

愛知黎明高生 接種サポート コロナワクチン、弥富で来月から

コロナ禍で病院での実習が制限される中、校内実習に励む生徒たち=弥富市の愛知黎明高で

コロナ禍で病院での実習が制限される中、校内実習に励む生徒たち=弥富市の愛知黎明高で

■看護学ぶ245人 「少しでも力になりたい」

 弥富市の愛知黎明(れいめい)高校は、6月5日から同市保健センターで始まる新型コロナウイルスワクチンの集団接種を手伝うボランティアとして、看護を学ぶ生徒たちの派遣を決めた。貴重な人員として接種をサポートする生徒たちは「自分たちが頼られるほど、コロナの感染拡大は深刻な状況。学んだ知識を使い、少しでも力になりたい」と意気込んでいる。(伊勢村優樹)

 市によると、看護を学ぶ生徒や学生の協力を得て、集団接種を行うのは全国でも珍しいという。人手不足解消につなげるだけでなく、コロナ禍で実習が難しい生徒たちにとっても、現場で対人業務の経験を積み、やりがいを感じる機会になるとして、市が同校に派遣を依頼していた。

 同校によると、全日制看護科(1年生を除く)と定時制衛生看護科の計245人が協力を申し出ており、土日に一日当たり約5人を派遣する。会場では一日最大約380人の接種を想定。接種に携わる医療従事者や市職員約35人に加わり、生徒たちは会場案内や予診票の確認、経過観察の補助などを担う予定という。

 看護師を目指す生徒にとって、実際の病院で患者の看護をしながら学ぶ「臨地実習」は必要な経験だが、コロナ感染拡大防止のため、受け入れを断られるケースが増え、全国的に中止や縮小が相次ぐ。

 国が示した代替策に従い、同校も教員らを患者に見立てた演習を実習扱いにしているが、看護科2年の女子生徒(16)は「患者さんと直接関わった経験がなく、不安な気持ちもある」と打ち明ける。ワクチン接種に協力できることになり、「副反応をみる経過観察も授業で学び、知識を身に付けた私たちがいろんな人のために動けるのはうれしい」と語った。

 同学年の女子生徒(16)も「地域の人に役立つ経験がやっとできてうれしい」と笑顔。小山田里枝教諭(42)は「コロナによって、看護師になるという生徒たちの夢が、地域の人に支えられてきたことを改めて実感した。接種への協力が恩返しになれば」と語った。

 18日には、集団接種の最後の訓練があり、学生も参加する。本番に向けて山田さんは「医療現場で努力している方のためにも感染予防に気を抜かず、頑張りたい」と抱負。浅田さんは、ぜんそく持ちの祖母が副作用を心配していることに触れ、「知識を深め、同じような不安を抱える人への声掛けや、元気の良いあいさつで一人一人に寄り添いたい」と意欲を見せた。

(2021年5月18日 中日新聞朝刊尾張版より)

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