甲子園で熱戦が繰り広げられている第９３回選抜高校野球大会。新型コロナウイルス感染防止のためスタンドでは吹奏楽演奏ができず、事前録音した音源を流している。２５日に初戦がある中京大中京（名古屋市昭和区）も、吹奏楽部員が音源を事前に準備。グラウンドの野球部員に熱い演奏を届ける。

　同校では１５日、部員４４人が音楽室に集まり、換気や消毒など感染対策を取った上で演奏を録音した。通常なら３０曲以上を用意して応援に行くところだが、今回は「アフリカンシンフォニー」「サウスポー」など定番の１０曲とした。

　副部長の３年生（１７）は「直接応援に行けないのは残念」としつつ、「こういう形でも参加できるのはうれしい」と前向きに捉えている。吹奏楽部員たちは「甲子園のスタンドを思い浮かべて演奏した」といい、「選手たちの努力が報われてほしいという思いを音に乗せた。かっこいい姿を見たい」と期待を込めた。

　５度目の選抜大会優勝を狙う中京大中京は、２５日の第１試合で専大松戸（千葉）と対戦する。（大野雄一郎）

（2021年3月25日　中日新聞朝刊県内版より）