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お知らせ 2021.01.21

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多治見西高等学校

模擬裁判 実演交え熱弁 多治見西高生 全国選手権で初優勝 論告 論理的に書き上げ

優勝を喜ぶ(後列左から時計回りに)小栗さん、オさん、坂崎さん、井川原さん、奥村さん、山本さん、瀬口さん=多治見市の多治見西高で

優勝を喜ぶ(後列左から時計回りに)小栗さん、オさん、坂崎さん、井川原さん、奥村さん、山本さん、瀬口さん=多治見市の多治見西高で

 高校生が模擬裁判で論理性や多角的な視点を競う高校生模擬裁判選手権で、多治見西高校2、3年生のチームが初優勝した。生徒たちは「まさか優勝できるとは」と喜ぶ。(片岡典子)

 模擬裁判では、架空の事件を題材に、各校が事前に用意した弁護側の弁論や検察側の論告を発表。その論理性や視点の多様さ、発表の分かりやすさなどを競う。日本弁護士連合会が例年8月に地方ごとに開催しているが、今回は新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、昨年12月19日にオンラインで実施。全国の16校が出場し、4校ずつのグループに分かれてそれぞれで優勝校を決めた。

 多治見西高校の出場は2回目。今年は田山地範幸講師(62)の呼び掛けに応じたいずれも2年のオさん(16)、瀬口さん(17)、奥村さん(17)、小栗さん(16)、山本さん(17)、井川原さん(17)と3年、坂崎さん(18)が参加した。

 題材は、女性が幼なじみの男性を口論の末に押し倒しけがさせたという設定の傷害事件。被告人の女性は「男性に首を絞められ弾みで倒した」などと話し、その信ぴょう性と正当防衛が成立するかが争点だった。

 生徒たちは11月末から、供述調書や捜査報告書をまとめた50ページほどの冊子を読み込んだ。関係者の証言を時系列でまとめ直したり、安全に注意しながら事件の状況を再現したりして、弁論と論告をそれぞれ2000文字程度で書き上げた。

 当日は検察役で論告を発表した。生徒たちは被告人の首元に残った内出血の位置が、被害者の利き手と逆だったことから首を絞められたのは誤った供述だったと主張。さらに実演も交え、首を絞められた状態では重心が前にかからず相手を押し倒すのは難しいことも示した。田山地講師によると、問い掛けを含む裁判官に語りかけるような話し方や実演の分かりやすさなどが審査員から評価された。

 論告を担当した山本さんは「理由を詳しく挙げながら2000文字でまとめるのは思考力が求められ、何度も書き直した」。井川原さんは「他の学校の発表では『そういう視点があったか』と納得させられることが多く、優勝したのは驚いたしうれしかった」と喜んだ。田山地講師は「放課後、遅くまで残って集中して取り組んでいた。生徒たちはよく頑張った」と目を細めた。

(2021年1月21日 中日新聞朝刊東濃版より)

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