２６日のプロ野球ドラフト会議でオリックス・バファローズから５位指名を受けた豊橋中央高の中川拓真捕手（１８）は、いずれ対戦してみたい選手に則本昂大選手（楽天）を挙げ、「フォークボールをバックスクリーンに入れたい」と話した。

　高校に設置されたテレビを前に指名を待った中川捕手。母（４７）から借りたハンカチで額から落ちる汗をぬぐい、水を飲んだりと落ち着かなかった。ドラフト会議開始から２時間が過ぎたころ、「中川拓真」の名前が呼ばれると、ほっとした表情で横に座っていた萩本将光監督と握手を交わした。

　指名後に行われた会見では、「精神的にも技術的にも未熟だった自分を育ててくれて、萩本監督には感謝しかない。オリックスは若手の投手と打者が力を付けている印象。捕手として（エースの）山本由伸投手の球を受けてみたい」と目を輝かせ、手渡された色紙には力強い字で「本塁打王」と目標を書き入れた。

　野球を始めたきっかけは、小学１年の時に両親からバットとグラブをもらったこと。指名を見守った父（４９）は「野球ファンだった私の押しつけだったのかも。でも、そこからプロになるなんて信じられない。地元の子供たちやファンに感動を与えられるような選手になってほしい」と話した。（斎藤徹）

（2020年10月28日　中日新聞朝刊東三河総合版より）