新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった今春の第９２回選抜高校野球大会に選出された３２校を招待して開催される「２０２０年甲子園高校野球交流試合」は１０日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する。各校１試合限定という異例の形式ながら、コロナ禍に見舞われた高校球児が「夢舞台」の土を踏む時が訪れた。

　日本高野連が主催し、１０～１２日、１５～１７日の計６日間で実施。開会式には１０日の第１試合で戦う大分商と花咲徳栄（埼玉）のみが参加し、選手宣誓は両校の主将が務める。１１日は第３試合に県岐阜商、１２日は第１試合に中京大中京（愛知）が登場する。

　原則は無観客。アルプス席を彩るブラスバンドはないが、控え部員、部員１人につき保護者・家族合わせて５人以内、野球部指導者の家族（指導者１人につき５人以内）、教職員は入場が認められた。ベンチ入りメンバーは従来の甲子園大会よりも２人多い２０人まで可能となる。

　招待校は試合日に合わせた移動と必要最小限の宿泊にとどめ、試合と試合の間にはベンチ内の消毒を行うなど、さまざまな観点から感染リスク軽減策が講じられる。

（2020年8月10日　中日新聞朝刊1面より）