高校野球 2020.06.06
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「夏季県高校野球大会」決定 感染予防第一に運営 20日に組み合わせ抽選

県独自の大会に向け、練習に汗を流す至学館高野球部員たち=名古屋市守山区で
報道陣を対象にした説明会の冒頭で、須田文清会長は「生徒の気持ちに寄り添い、最大限できることとして開催する。できる限りの対策を講じる」と述べた。日本高野連が示す感染予防対策を参考に、独自のガイドラインを策定し運営を進める。
今大会は、6月20日に組み合わせ抽選をし、練習再開が遅い学校には初戦を4日目以降になるよう配慮する。控え部員と保護者はスタンドに入れるが、保護者には人数制限を設ける。雨天を想定し、最長8月9日まで延長する。
大会関係者に感染者が出た場合に備え、球場に訪れる頻度に応じ、3種類に分けて取るべき対応を想定する。
参加校の部員が感染すると、他の部員の濃厚接触が疑われるため、原則として参加自粛を求める。大会運営が難しくなった場合には中止となる。
■集大成の舞台 全力で戦う
球児なら一度は夢見る、夏の甲子園。コロナ禍でその望みは絶たれたが、最後の舞台が用意された。県内の選手たちはそれぞれの思いを胸に、練習に励む。
■至学館
2017年の春のセンバツなどで甲子園の土を踏んだ至学館(名古屋市東区)はこの日、同市守山区のグラウンドで約60人がシートバッティングなどで汗を流した。分散登校のため、残りの約60人は学校で練習した。
甲子園中止が決まった際、麻王(あさお)義之監督は「掛ける言葉もなかった」と振り返る。それだけに「大会があるのはありがたい。3年生メンバーで挑む」と語る。
主将の3年増田達紀投手(17)も「入部から目指してきた甲子園がないのはつらい」と語る。それでも「集大成の舞台があることはうれしい。支えてくれた人への恩返しのために優勝を目指したい」と意気込んだ。
■愛産大三河
18年に東愛知代表で夏の甲子園に出場した愛産大三河(岡崎市)の桜井春生監督(50)は「甲子園がなければ全くの別物になってしまう感じは否めないが、やるからにはこだわりを持って挑みたい」と話した。
チームは5月23日から練習を再開した。6月6日から県内の高校と練習試合を行う。「(休校中に)選手が体力維持に励んでいた成果もあり、全体練習にスムーズに移行できている」と桜井監督。対外試合は今季初めの3試合のみで、試合勘をいかに早く取り戻せるかが課題。体力強化を図りながら連係プレーを中心に練習に励む。主将の石川拳伍選手(17)は「3年生中心で試合を行うことになった。代替試合とはいえ勝負事なので、全力で戦い抜きたい」と意気込んだ。
(2020年6月6日 中日新聞朝刊県内版より)