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お知らせ 2020.01.31

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岐阜聖徳学園高等学校

高校生発 地域の防災 岐阜・鶉に避難所運営委 設置構想

設置に向けた狙いを説明する生徒=岐阜市の岐阜聖徳学園高で

設置に向けた狙いを説明する生徒=岐阜市の岐阜聖徳学園高で

■岐阜聖徳学園高で準備会議「小中学校と大人つなぐ」

 岐阜市南部の鶉地区で、地区内の学校や自治会、福祉施設などが連携して災害に備える「避難所運営委員会」を設置する構想が、高校生の主導で動き始めた。同市の岐阜聖徳学園高校で防災を学ぶ1年生の生徒らが発案。同校で30日、設置に向けた準備会議があった。(長崎高大)

 同運営委は、避難所に指定されている学校などの施設で、平時から具体的な利用計画や運用ルールを決めておき、災害時は避難活動に対応する役割を担う。一般的には自治会だけでつくる事例が多いが、今回は地域全体でつくる必要性を感じた生徒らが周囲に連携を呼び掛けた。

 近年、防災教育に力を入れている普通科特進コースの1年生13人が主導した。一昨年に在籍していた生徒らが避難所運営のシミュレーションゲームなどに取り組む中で「地区全体でつくる運営委員会の必要性」を今後の課題に挙げ、現在の1年生が引き継いで動き始めた。

 この日の準備会議では、生徒らがこれまでの経緯を説明。「日ごろから地域に関わっていくことで防災への意識は高められる」「事前に地域で運営内容を確認しておくと、災害時にスムーズに対応できる」などと設置に向けた狙いを語った。

 出席者らは、生徒が事前に配ったアンケートに基づき、公民館や小中学校、福祉施設などの施設の現状の防災上の課題や、設置後の運営委員会で話し合うべき内容などを意見交換した。

 発表した生徒(16)は「高校生は小中学校と大人をつなぐ立場としてはちょうどいいし、体力があって避難所を運営する際にできることは多い」と指摘。「次回はより踏み込んだ改善点を話し合い、今日の意見を踏まえて新しい提案ができるといい」と話した。

 同校で生徒に助言する防災専門家の吉田亮一さんは「学校と地域が一体となってつくる運営委員会は全国でもほとんど例がなく、珍しい。災害は地域全体に来るものなので、別々にやっていては災害に勝てない」と意義を語った。

 同校によると、呼び掛けた団体は全て今回の会議に参加しており、設置にも前向きという。今後2回ほど準備会議を重ねたのち、年内をめどに設立を目指す。

(2020年1月31日 中日新聞朝刊岐阜近郊版より)

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