スポーツ 2019.12.22
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中部大春日丘 高校ラグビー 8強目指す 経験が糧 雪辱の花園に

ラインアウトからの攻撃を繰り返し練習する選手たち=春日井市松本町の中部大春日丘高グラウンドで
今月中旬。同校のグラウンドでは、日没後も選手たちが精力的に練習に取り組んでいた。ラインアウトからボールをキープし、すばやく展開して攻め上がる動きを繰り返す。宮地真監督(54)は「100点のプレーをしないと強豪校には勝てない。大会までに、(ラインアウトやスクラムの)セットプレーを何度も確認しているところだ」と話す。
チーム全員が胸に抱くのは、前回大会の悔しさだ。「過去最強」との呼び声で上位進出が期待されたチームだったが、ベスト8進出を懸けた天理(奈良)戦で10-21で敗れた。宮地監督は「途中まで勝てるチャンスがあった試合だった。焦ってキックしてしまうなど、じれてしまったのが良くなかった」と振り返る。
今年のチームはフィジカル面で前年よりもやや劣るというが、好材料もある。大舞台の経験から来る安定感だ。天理戦を経験した当時の1、2年生が、今年のチームでもレギュラーの約半数を占める。宮地監督は「どこと対戦してもゲームが壊れることがない」。天理戦で得点を挙げたスタンドオフの堀日向太選手(2年)は「今年は自分自身、昨年よりも落ち着いて周りが見られるようになっている」と自信を持つ。
全国大会を勝ち抜くための武器も磨いてきた。徳重翔主将(3年)によると、今年のチームでは、タックルを受けながら味方にボールを渡す「オフロードパス」を重点的に練習した。今年のラグビーW杯では日本代表が何度もトライに結び付けたプレーだ。「アイコンタクトや声掛けでボールをつなぐ意識を大切にしている」(徳重主将)といい、一気に局面を打開する可能性を秘める。
今大会で中部大春日丘は、高鍋(宮崎)と札幌山の手(南北海道)の勝者と戦う2回戦から登場。順当に勝ち進めば、3回戦で花園での優勝経験がある常翔学園高校(大阪)と激突する。「粘り強いディフェンスで接戦に持ち込み、ワンチャンスを得点につなげていきたい」と宮地監督。徳重主将も「いかにミスなく戦えるか。大会までにもっとチーム力を高めたい」と燃えている。
(2019年12月22日 中日新聞朝刊尾張版より)