スポーツ 2025.12.22
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全国高校駅伝 男子 豊川8位、愛知44位 女子 豊川20位

8位でゴールする豊川の永嶋選手=たけびしスタジアム京都で
男子の豊川は強豪ぞろいの1区30位から、区間1桁台の走りが続き、着実に順位を上げた。アンカー永嶋選手(2年)の冷静な追い上げが光った。
愛知は1区で鈴木主将(3年)が28位とチームを引っ張ったが、徐々に失速した。
女子の豊川は、1区谷選手(3年)が14位と好スタートを切り、続く蒲生選手(3年)も一つ順位を上げたが、終盤で引き離された。
■後半ギア上げ 入賞つかむ 男子・豊川アンカー永嶋選手
「全員が役割を果たし、入賞するための走りをできた」。区間3位の快走を見せた最終区永嶋選手(2年)は、チーム目標の全国入賞を果たし、晴れ晴れとした表情を見せた。
1区は30位と予定より出遅れたが、激戦の中で「タイムは悪くない」と冷静に見ていた。2区森田選手(同)が9人、3区吉村選手(同)が7人を抜き、順位を押し上げた。
「タスキをもらうときは入賞圏内だ、と。自分に託される展開を想定でき、落ち着いて臨めた」と永嶋選手。奈良修監督(54)が「頭をよく使う選手」と評するアンカーは10位で走り出し、自身のペースを守った前半から一転、3.8キロ地点で8位集団を捉えるとギアを上げた。
普段から自分たちで考え練習を重ねたことで、永嶋選手は「個の強みが出やすいチームになった」と実感を語る。奈良監督からは「今年は入賞、来年は優勝」と目標を伝えられた。今回走った2年生は5人。「優勝は夢じゃない。チーム一丸となり新たなスタートを切りたい」 (世古紘子)
■エース自覚 迷わず力走 女子・豊川1区・谷選手
エースとして重責と戦いながら、リベンジを果たした。昨年1区を任されたものの、31位に終わった谷選手(3年)。再び同じ区間を託された今年は14位でたすきをつなぎ、チームに流れを引き寄せた。
1区という責任の重さに不安を感じ、走りに迷いが生まれてしまった昨年とは異なり、「この日のために1年間練習を積んできたという自信が力になった」。
振り返ると、この1年の歩みは厳しかった。「過去最弱」と臼井康善監督(49)に告げられるところから始まった新チーム。課題の持久力と精神力を強化するため、実際のレースを意識したアスファルトで長距離の練習を積んだ。次第に「自分が絶対に倒れない」というエースとしての自覚も芽生えた。
臼井監督は谷選手を「みんなが頼れる、精神的な支柱となる選手に成長してくれた」と評価する。今後は日本体育大で陸上を続けるという谷選手。「大学でも日本一を目指したい」と新たな目標を見据えた。 (後藤優)
■来年リベンジ 後輩に託す 愛知1区・鈴木主将
「楽しさ半分、悔しさ半分」。1区を任された鈴木主将(3年)は、最初で最後の都大路をそう振り返った。各校のエースがひしめく緊張感のある区間を、28位で走り切った。
沿道の大声援を力に、約5キロ地点では5000メートルの自己ベストと同等タイムで通過。しかし、その後の急傾斜で「踏ん張り切れず、ペースが落ちてしまった」と悔しさをにじませた。
東海大会で都大路への切符をつかみ勢いづいたチームは、不測の事態に見舞われた。本番を2週間後に控える中、インフルエンザが流行し、体調不良者が続出。調整が間に合わず「ベストなオーダーを組めなかった」と竹内洸貴監督(32)も悔いをのぞかせた。
だが10年ぶりの大舞台を経験し収穫も。「全国のレベルを肌で実感し、選手らの練習に取り組む意識が上がるのでは」と竹内監督。出走した7人中4人はまだ2年生だ。鈴木主将は「質の高い練習を積み重ねて来年リベンジしてほしい」と後輩に思いを託した。 (後藤優)
(2025年12月22日 中日新聞朝刊県内版より)
