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高校野球 スポーツ  2019.08.14

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津田学園高等学校

がんばれ津田学園 第101回全国高校野球 諦めない姿 見届けた

履正社に敗れ肩を落とす津田学園ナイン=甲子園球場で

履正社に敗れ肩を落とす津田学園ナイン=甲子園球場で

■継投好投 粘りみせた

 絶対的エースが大会屈指の強力打線を抑えきれなかった。第101回全国高校野球選手権大会8日目の13日、三重代表の津田学園は2回戦で履正社(大阪)に3-7で敗れ、初の3回戦進出はできなかった。前佑囲斗投手(3年)が先制を許し、3回には5失点。継投でしのぎ、後半にかけて適時打や犠飛などで3点を奪うも勢いに乗れなかった。アルプス席を埋めた観客は「よくやった」「ありがとう」と選手の健闘をたたえた。

■アルプス席から大声援「よくがんばった」

 序盤の失点を、1点、また1点と返し諦めない野球を展開。最後の守りになるかもしれない8回裏2死で、一塁手に替わっていた前佑囲斗投手(3年)が再びマウンドに戻ってきた。選手の保護者やOBらが集まった三塁側アルプス席は大きな拍手で迎えた。前投手が相手を左飛に打ち取ると、「よくやった」と声が飛んだ。

 「最後のアウトはエースで」というチームの意見が一致した。好投を続けていた2番手の降井隼斗投手(3年)も「ここまで来られたのは佑囲斗のおかげだとみんなが思っている。最後に投げてくれて、うれしかった」と振り返った。

 先発の前投手は序盤から毎回得点圏に走者を背負う苦しい展開。応援団長の太田翔稀さん(3年)は「まだいくらでもチャンスはある。全員全力野球で声を掛け合いながら戦ってほしい」と力を込めた。

 5、6回に1点ずつ挙げると、応援は熱を帯びる。流れを変えたのは4回から登板した降井投手の快投。甲子園初登板にもかかわらず、強力打線を1点のみに抑えた。降井投手の母千秋さん(40)は「中学の卒業式の時、『甲子園のマウンドでエースとして活躍する』と誓っていた。エースにはなれなかったけど、夢の舞台に立てて良かった。今日の投球は120点」とはにかんだ。

 8回に小林世直選手(2年)が右前適時打を放つと、スタンドでは互いのメガホンをたたき合ったり、隣の人と抱き合ったりと大盛り上がり。体中に響き渡る吹奏楽部の力強い演奏も選手たちを後押しした。

 試合が終わり、スタンド前に選手たちが並ぶと、友人やOBらがフェンスまで駆け寄り「よくがんばった」「かっこよかったぞ」。

 阿萬田琉希捕手(3年)と小学生時代同じ野球チームに所属した原渕鳳晟(ほうせい)さん(17)は「3安打も打ってくれて感動した。エラーした後も声を掛けて助け合うとても良いチームだった」とねぎらった。(足達優人)

津田学園 000011010―3
履正社  01500100x―7

(2019年8月14日 中日新聞朝刊三重版・三重総合版より)
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