お知らせ 2025.06.06
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介護現場で高校生実習 黄柳野高から新城の6福祉施設へ

スタッフに教わりながら車いすを押す生徒=新城市矢部で
介護関連の人材不足が深刻化する中、新城市の社会福祉法人の新城福祉会と鳳寿会が市内6カ所の福祉施設で、黄柳野(つげの)高校(同市黄柳野)の生徒たちの実習を受け入れている。在学中に「介護職員初任者研修」の資格を無料で取得し、卒業までアルバイトで実務経験を積みながら、進学や就業につなげてもらう狙い。(小沢伸介)
介護福祉現場の慢性的な人手不足を解消する一助として、名古屋市熱田区の一般社団法人アスバシなどが2022年度に始めた「介拓奨学生プログラム」の一環。新城市は両会の費用負担で試行しており、26年度から本格導入する。
同校では、福祉に関心がある1~3年生22人が自発的にプログラムに参加。5、6月の延べ3日間の準備講座で講義と2日間の実習があり、9~12月には本番の初任者研修がある。
新城福祉会の「レインボーはうす」(同市矢部)では4日、1年生の女子生徒2人が実習に訪れ、障害のある人の介助や下請け仕事を補助する様子を見学し、車いすを押す体験などをした。
生徒(15)は「幼い頃、曽祖父の介護を見た経験から参加を決めた。スタッフは同時にいろんな人の様子を見て忙しそうに働いていた。将来、福祉分野の仕事にも興味を持ち始めている」と話した。
新城福祉会の長坂宏理事長は「ヘルパーや夜間勤務者の不足で、利用者のニーズに応えるのが難しくなっている」と現場の苦境を説明。「いずれ地元で福祉の仕事を選んでもらえるための先行投資になれば」とプログラムに期待した。
市が21年に施行した「福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例」に合致する取り組みとして、将来的に行政との連携も視野にプログラムの定着を目指すという。
(2025年6月6日 中日新聞朝刊東三河版より)