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お知らせ 2024.06.07

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津田学園高等学校

桑名市が留学奨学金 中高大生対象 来月ごろ募集開始へ

 海外への留学を希望する中高大生を後押しするため、桑名市は独自の奨学金事業を始める。新型コロナウイルスの流行によって2020~22年は日本から海外留学する学生数が大きく落ち込み、現状は回復している途中。為替の円安によって留学費用が膨らみやすい状況でもあり、金銭面を支援する。(大島康介)

 6日に開会した市議会定例会に、グローバル人材育成事業費として1100万円を計上した一般会計補正予算案を提出した。可決されれば、7月ごろに奨学金の利用者の募集を始める。対象は市内在住者か市出身者で、数週間の短期留学から数年間の長期留学まで応募可能。支援金額は最大100万円とし、年間25人ほどの利用を見込んでいる。

 奨学金を立ち上げる資金は、企業版ふるさと納税で市内に工場を持つ自動車部品メーカーのエイベックス(名古屋市)などからの寄付金を充てる。伊藤徳宇市長は「異文化を理解する若者が育ち、語学力を高めてもらうことは桑名の国際化にもつながる」と話している。

■津田学園高 短期を積極的に

 日本学生支援機構の調査で、日本の大学に在籍する学生の海外留学は2022年度に5万8162人と、新型コロナウイルスの流行前の19年度と比べると半分ほどに減っている。政府は留学に挑戦する若者を増やそうとしており、国や地方自治体が奨学金を整える動きにつながっている。

 桑名市の津田学園高校は「グローバルマインド育成」を学校の方針とし、生徒の短期留学に積極的だ。フィリピンやオーストラリアなどの英語圏への留学で学校が窓口となって生徒を送り出してきた。担当する永田訓子教諭は「1週間の短期留学でも、子どもたちは驚くほど成長してくる。英語の聞き取りで耳が慣れていくことを実感でき、帰国後の学習意欲が高まる」と成果を話す。

 近年はインターネットで外国人講師と英会話する「オンライン留学」や「メタバース留学」なども利用できるが、永田教諭は「海外の空気に触れることで視野が大きく広がる」と指摘する。金銭面が壁となって留学できない子どももいるため、桑名市のような奨学金を歓迎する。

(2024年6月7日 中日新聞朝刊北勢版より)

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