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お知らせ 2024.04.06

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東邦高等学校

名古屋空襲 東邦高生が描く 「なごや平和の日」制定受け企画展

東邦高美術科の生徒たちが名古屋空襲の語り部の話から着想を受けて手がけた作品が並ぶ会場=名東区よもぎ台で

東邦高美術科の生徒たちが名古屋空襲の語り部の話から着想を受けて手がけた作品が並ぶ会場=名東区よもぎ台で

■語り部の話から着想 ピースあいち

 米軍による名古屋空襲で市内に大きな被害が出た5月14日が「なごや平和の日」として制定されたことを受け、名東区よもぎ台の戦争資料館「戦争と平和の資料館ピースあいち」で、空襲にまつわる企画展「名古屋空襲を知る」が開かれている。東邦高校(同区)美術科2年の生徒たちが、空襲の語り部の話から着想を得て手がけた美術作品が中心に並ぶ。5月18日まで。(榊原大騎)

 市によると、名古屋空襲は1942年4月~45年7月で計63回にわたり、市内で約8千人が亡くなったとされる。45年5月14日の空襲は市街地に及び、名古屋城天守閣も焼失。平和の日は、犠牲者を追悼して戦争を語り継ぐ日として、3月に市議会で条例案が可決され、今月から施行された。

 今回の企画展では、独自の平和教育を続ける東邦高とピースあいちがコラボ。現在の美術科2年生46人が昨年6月、ピースあいちの語り部から戦争体験を聞き、半年ほどかけてそれぞれの受け止めを美術作品に表した。

 作品では戦禍の比喩的な表現も目立ち、素朴な服を着てワンピースにあこがれる女の子や、防空壕(ごう)の中で亡くなった人たちの命などが描かれている。担当の小塚康成教諭は「ウクライナやガザなど、世界では現在も戦争が続いている。戦争体験の講話に限らず、世界情勢からの影響を描いた生徒もいる」と語る。

 企画展ではほかに、名古屋空襲の犠牲者名簿や、被害を示す写真パネルなども展示。ピースあいち運営委員の金子力さん(73)は「戦争は今も起きており、決して過去の話ではない」とした上で「名古屋空襲は犠牲者数が資料によって違うなどわからないことも多い。そうした点も知ってもらえれば」と呼びかける。

(2024年4月6日 中日新聞朝刊なごや東総合版より)

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