スポーツ 2024.01.05
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全国高校サッカー 名古屋 「超強豪」に健闘 県勢43大会ぶりの4強逃す
第102回全国高校サッカー選手権大会は4日、準々決勝を行い、県代表の名古屋(名古屋市東区)は千葉県立柏の葉公園総合競技場で優勝5回の市立船橋(千葉)と対戦し、1-2で惜敗した。
前半21分に先制を許すも、終了間際にDF月岡選手(3年)がロングスローでゴール前にボールを放り込み、混戦からオウンゴールを誘って同点に追い付いた。しかし、後半開始早々に失点。地元となる相手に負けない600人の応援団に応えようと猛攻をかけたが、ネットを揺らせず、県勢として43大会ぶりの4強進出を逃した。
山田武久監督は「超強豪を相手に堅守速攻や得意のロングスローからの得点を見せられた」と初出場で8強まで進んだ選手をたたえた。その上で「一瞬に備え、守りを強化してきたが、その一瞬でやられた。この教訓や悔しさを次に生かしたい」と話した。
■初出場で8強 どん底から堅守で結束「悔いはない」
準決勝に進み、開会式で選手宣誓をした国立競技場に戻るという目標には、あと一歩届かなかった。だが、強豪に最後まで食らいつき、MF田中主将(3年)は「最高の仲間とここまで試合ができた。精いっぱいでき、悔いはない」と胸を張った。
どん底からのスタートだった。昨年の県の新人戦では初戦敗退。夏の高校総体予選で雪辱を誓ったが、ベスト16どまり。練習で手を抜く部員もいたという。
浮上のきっかけは、その直後に開いたミーティング。仲間と本音をぶつけ合い、勝つためにどうしたらいいかを考えた。その結論がサッカースタイルの変更。自分たちでボールを動かす戦術から、守りを重視して「負けないサッカー」に軸足を置くことにした。
2021年から指導に当たる大久保隆一郎ヘッドコーチ(35)の存在も大きい。強豪の青森山田で8年間のコーチ経験がある。「名古屋は飛び抜けた選手がいない。個の力がある相手にも勝つため組織で守り、セットプレーやロングスローも生かしたチームに仕上げた」。文武両道に励む選手らは戦術への理解も早かったという。
堅守からのカウンターを武器とする戦術をチームとして確立。それまでの悔しさが「もう負けたくない」という強い意志につながって団結力も高まると、県内では負け知らずになった。全国大会では持ち味の堅い守りで競り合いに持ち込み、強豪を次々と倒して初出場で8強まで勝ち進んだ。
田中主将は「誇らしく思う。1、2年生はこの経験を生かして新チームを引っ張ってほしい」と後輩に夢を託した。(伊勢村優樹)
(2024年1月5日 中日新聞朝刊県内総合版より)
前半21分に先制を許すも、終了間際にDF月岡選手(3年)がロングスローでゴール前にボールを放り込み、混戦からオウンゴールを誘って同点に追い付いた。しかし、後半開始早々に失点。地元となる相手に負けない600人の応援団に応えようと猛攻をかけたが、ネットを揺らせず、県勢として43大会ぶりの4強進出を逃した。
山田武久監督は「超強豪を相手に堅守速攻や得意のロングスローからの得点を見せられた」と初出場で8強まで進んだ選手をたたえた。その上で「一瞬に備え、守りを強化してきたが、その一瞬でやられた。この教訓や悔しさを次に生かしたい」と話した。
■初出場で8強 どん底から堅守で結束「悔いはない」
準決勝に進み、開会式で選手宣誓をした国立競技場に戻るという目標には、あと一歩届かなかった。だが、強豪に最後まで食らいつき、MF田中主将(3年)は「最高の仲間とここまで試合ができた。精いっぱいでき、悔いはない」と胸を張った。
どん底からのスタートだった。昨年の県の新人戦では初戦敗退。夏の高校総体予選で雪辱を誓ったが、ベスト16どまり。練習で手を抜く部員もいたという。
浮上のきっかけは、その直後に開いたミーティング。仲間と本音をぶつけ合い、勝つためにどうしたらいいかを考えた。その結論がサッカースタイルの変更。自分たちでボールを動かす戦術から、守りを重視して「負けないサッカー」に軸足を置くことにした。
2021年から指導に当たる大久保隆一郎ヘッドコーチ(35)の存在も大きい。強豪の青森山田で8年間のコーチ経験がある。「名古屋は飛び抜けた選手がいない。個の力がある相手にも勝つため組織で守り、セットプレーやロングスローも生かしたチームに仕上げた」。文武両道に励む選手らは戦術への理解も早かったという。
堅守からのカウンターを武器とする戦術をチームとして確立。それまでの悔しさが「もう負けたくない」という強い意志につながって団結力も高まると、県内では負け知らずになった。全国大会では持ち味の堅い守りで競り合いに持ち込み、強豪を次々と倒して初出場で8強まで勝ち進んだ。
田中主将は「誇らしく思う。1、2年生はこの経験を生かして新チームを引っ張ってほしい」と後輩に夢を託した。(伊勢村優樹)
(2024年1月5日 中日新聞朝刊県内総合版より)