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高校野球 2023.07.28

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愛知工業大学名電高等学校 中京大学附属中京高等学校

愛工大名電 中京大中京 あす 決勝

試合を締め、雄たけびを上げる愛工大名電の笹尾日々喜=愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで(後藤正樹撮影)

試合を締め、雄たけびを上げる愛工大名電の笹尾日々喜=愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで(後藤正樹撮影)

■エース笹尾 危機救う

 終盤に迎えたピンチをエースが最少失点でしのいだ。愛工大名電は序盤からリードを奪いながらも突き放せない嫌な流れ。7-4の8回には先頭からの連打で無死一、二塁のピンチを迎えると、エース右腕・笹尾日々喜(ひびき)投手(3年)がマウンドに上がった。

 「大事な場面で行くと言われていたので心の準備はできていた」。犠打で1死二、三塁とされ、続く打者の犠飛で1点を返された。2点差に迫られるも「最少失点でしのぐつもりだった。動揺はなかった」。後続を落ち着いて空振り三振に仕留め、雄たけびを上げた。

 9回は2死から安打で走者を出すもホームを踏ませず試合終了。先発の2年生右腕・伊東から投手4人の継投で逃げ切った。終盤でのエース投入に倉野光生監督(64)は「勝つのも負けるのもエース。2年生もいい経験を積めた」と納得の表情を浮かべた。

 愛工大名電が達成して以来、16年ぶりとなる夏の愛知大会3連覇に王手を掛けた。「3連覇が目標。エースとして目標を達成できる投球をしていく」と笹尾。盤石な投手陣で勢いに乗る中京大中京の強打を抑えにいく。 (谷大平)

■投手陣攻めきれず 中部大春日丘

 中部大春日丘は愛工大名電の投手陣を攻めきれず、準決勝敗退。初の決勝進出とはならなかった。打線は1回表、比嘉門が先頭打者本塁打を放ち先制するも、直後に3失点で逆転を許した。その後6回から8回まで1点ずつ返すなど終盤に粘りを見せたが追いつけなかった。「全力を出し切って負けてすごく悔しい。来年は甲子園にいってほしい」と後輩に思いを託した。

■山田 育ち盛り4打点

 中京大中京打線がまたも猛打をみせた。序盤から愛知啓成投手陣を攻略して14安打12得点。2戦連続で2桁安打2桁得点で5回コールド勝ちし、3年ぶりの夏の甲子園切符にあと1勝に迫った。

 2-0で迎えた2回。無死満塁で3番・山田頼旺(らいおう)外野手(2年)は外角低めの直球を振り抜き、走者一掃の3点適時三塁打。さらに3回にも1死二塁で左翼線への適時二塁打を放ち、「コンパクトなスイングを心掛けた。ゾーンに入っていました」と長打2本の2安打4打点で好調をキープしている。

 今春は3年生の主砲・大西のけがもあり2年生ながら4番に座るも、力が入り過ぎてスイングが大振りになっていた。今夏は準決勝まで18打数9安打の打率5割。復帰した4番大西の前を打つだけに「自分の役割を考えて、大西さんにつなぐ意識で打席に立てている」と先輩に最敬礼する。

 「頼旺」の名は「頼られる人になってほしい」「食欲旺盛に育ってほしい」との両親の願いで付けられた。その名前通り、179センチ、78キロのがっしりした体格で名門の中軸にどっしり座る。愛工大名電との決勝に向け「いい投手ばかり。1試合でも多く先輩と試合をしたい」と力を込めた。 (谷大平)

■愛知啓成 中村督監最後の夏に

 愛知啓成は準決勝敗退が決まり、中村好治監督(69)が同校での最後の夏を終えた。3回までに12点を取られる苦しい展開になった。今夏で勇退し、秋から母校の大阪・大体大浪商で指揮を執る。「厳しいことも言ってきたが、この経験は今後の人生に生きることがあると思う。選手達には感謝を伝えたい」とその表情は晴れやかだった。

◇愛知 ▽準決勝(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)
中部大春日丘 100101110|5
愛工大名電 30201011x|8
(中)水野、塩崎-比嘉門
(愛)伊東、小島大、大泉、笹尾-板倉、秋葉
本塁打 比嘉門(中)

中京大中京 26400|12
愛知啓成 00002|2
(5回コールドゲーム)
(中)中井、飯島、宮内-江崎
(愛)山田、宮原、清水、井上-西村、沢崎

(2023年7月28日 中日スポーツ7面より)

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