高校野球 2023.07.24
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全国高校野球 愛知大会 杜若15年ぶり8強 金原ノーノー 打者27人、98球で自身初の大記録

無安打無得点試合を達成した杜若の金原投手=愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで(麻生和男撮影)
■配球ハマった
最後の打者を打ち取ると、背番号11の右腕はガッツポーズを繰り出した。杜若の金原は8強が懸かった大一番で9イニングを無安打無得点に抑え、自身初の大記録を達成した。
「5回まで全力で投げようと思っていた。達成できるとは思わなかったので、すごくうれしい」
立ち上がりからリズム良く投げ、向陽打線を打たせて取った。この日自己最速を1キロ更新した最速129キロの直球とカーブで追い込み、スライダーで勝負する配球がハマった。向陽とは4月に練習試合で対戦。「変化球を捉えられなかったので多めに投げた」。3回の先頭打者を四球、5回2死から失策で走者を出したが、併殺と盗塁死で終わり、打者27人、98球で記録達成となった。
「ユウキ」の登録名で、近鉄などで通算28勝を挙げたOBの田中祐貴監督(44)が昨春就任。金原が杜若に進学したのも、田中監督の存在がきっかけだった。入学後は監督の助言を受けながら、ショートアームの投球フォームに修正。時にはキャッチボールの相手をしてもらい、「球の伸びが全然違う」と元プロ投手のきれいなフォームを目に焼き付けた。
■田中監督「こつこつやれる子。そのこつこつが実を結んだ」
「自由参加の朝練にも来る。こつこつやれる子。そのこつこつが実を結んだ」と田中監督。「球場に着くまで先発を迷っていた。3回でいいと思っていたのに…」と試合後に明かしたが、現役時代も、指導者としても経験のない快挙を、自分のことのように喜んだ。
■台風の目に!
これでチームは記念大会だった2008年の東愛知大会以来となる8強に進出。25日の準々決勝で中京大中京と対戦する。目標だった16強を超え、台風の目になりそうな勢いだ。 (麻生和男)
◇愛知 ▽5回戦(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)
向陽 000000000|0
杜若 30000300x|6
(向)山田、泉、軍司-大下
(杜)金原-北本
(2023年7月24日 中日スポーツ9面より)