高校野球 2023.07.03
- この記事の関連校
- 愛知産業大学工業高等学校 愛知産業大学三河高等学校
高校野球地方大会 愛知大会 愛産大工 天野 最速145キロ 124球完投

3失点完投の愛産大工・天野=愛知県の豊田市運動公園野球場で(谷大平撮影)
■3失点で「愛産大」対決制す
本調子ではなかった。それでも、愛産大工・天野は強豪を相手に粘りの投球をみせた。1回、先頭打者にストレートの四球。ボールが上ずった理由を「初戦の緊張感が大きかった」と振り返る。犠打でその走者を進められて、1死二塁とピンチを背負った。しかし、次打者の一直で二走が戻れず併殺が成立。無失点で窮地を切り抜けた。
この日は球場の表示では最速140キロだったものの、ネット裏のスカウトのスピードガンでは145キロを計測。5回まで2四球を許したのみで無安打無得点に抑えた。終わってみれば、9回に浴びた2ランを含めて6安打3失点で完投。13奪三振でチームを勝利に導いたが、「自分の投球ができなかった。100%中で言えば20%。味方の守備に助けられました」と反省の言葉を並べた。
■プロ7球団11人
今夏の愛知大会を代表する好右腕と甲子園春夏通算3度出場の実力校との対戦とあって、ネット裏では7球団計11人のスカウトが見守った。オリックスの下山スカウトは「力を入れるときと抜くときの指先の感覚はいいものを持っている。相手も力のある中で、球速以上に球に強さがあるのでは」と話した。
来年4月に校名が「名古屋たちばな」に変わるため、愛産大工として臨む最後の夏になる。「愛産大工業の名前で甲子園に行くのが目標」という天野は「愛産大対決」を制した勢いに乗って、一歩ずつ愛知の頂点へ向かっていく。 (谷大平)
▽1回戦
愛産大三河 000001002|3
愛産大工 20030000x|5
(三)朝鍋-石原
(工)天野-久保
本塁打 後藤(三)
(2023年7月3日 中日スポーツ7面より)