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高校野球 2023.05.21

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至学館高等学校 東邦高等学校

春季東海高校野球 伊藤が107球完投 4強 至学館 東邦

いなべ総合-至学館 完投勝利にガッツポーズする至学館・伊藤=清水庵原球場で(立浪基博撮影)

いなべ総合-至学館 完投勝利にガッツポーズする至学館・伊藤=清水庵原球場で(立浪基博撮影)

■きょう 準決勝 至学館VS加藤学園 東邦 VS県岐阜商

 春季東海大会が開幕し、至学館(愛知)はエースの伊藤幹太投手(3年)が完投し、いなべ総合(三重)に5-1で快勝して4強入りした。今春のセンバツに出場した東邦(愛知)は日大三島(静岡)に2-1でサヨナラ勝ち。21日の準決勝は加藤学園(静岡)-至学館、県岐阜商-東邦が草薙球場で行われる。

■持ち味出せた

 9回2死三塁と最後のピンチで打者を二ゴロに打ち取ると、至学館の伊藤が右拳を握り締め、大きな声を張り上げた。三重県大会優勝いなべ総合を相手に1失点完投。最速145キロ右腕は「ロースコアに持ち込む持ち味を出せた」と胸を張った。

 学校のテストの影響で、練習不足のまま臨む今大会。試合前のキャッチボールで「本調子ではない」と悟り、打たせて取る投球に徹した。球を低めに集め、4回終了まで奪三振はゼロ。連続失策で無死一、二塁となった3回に1点は失ったものの、以降は連打を許さず要所を締めた。「ピンチで動じないのも持ち味なので」。6安打1失点、107球で完投した。

■監督の今夏勇退に奮起「麻王監督の力を証明したかった」

 勝ちたい試合だった。今夏限りでの退任を表明している麻王義之監督(59)にとって、同校では最後の東海大会。しかも、相手のいなべ総合は甲子園経験も豊富なベテラン、尾崎監督が率いる。

 「有名な監督さんのチームに勝って、麻王監督の力を証明したかった」。厳しい指導で知られる麻王監督から逃げることなく、向き合う。移動のバスでは近くに座り、言葉に耳を傾ける。「吸収しないと監督の元でやる意味がないので」。信頼の厚いエース兼主将に、麻王監督は「息子のようです」と目尻を下げる。

■昨秋の雪辱へ

 次戦も勝ちたい試合だ。加藤学園には、センバツにつながる昨秋の東海大会で初戦にサヨナラ負けを喫した。「悔しい負け方をしている。倒して決勝に行きたい」。雪辱を期して連投のマウンドに上がるつもりだ。 (麻生和男)

■サヨナラ二塁打 東邦・岡本

 東邦は1-1の9回に5番・岡本の中越え二塁打でサヨナラ勝ちした。1死二塁で中日・石川昂の弟の4番・石川が申告敬遠で歩かされた。「自分が走者をかえして、サヨナラにしてやろうと思った」と冷静に気持ちを高め、日大三島の2番手・永野の高めの直球を狙い打った。救援投手としても存在感を発揮する右翼手は「打った瞬間に(中堅手の頭上を)越えたと思った。自信になった」と公式戦では自身初のサヨナラ打を振り返った。

◇東海大会(20日・静岡県草薙ほか)
▽1回戦
いなべ総合学園(三重) 001000000|1
至学館(愛知) 20102000x|5
(い)水野、高田-平野
(至)伊藤-磯村新

日大三島(静岡) 000010000|1
東邦(愛知) 000100001|2
(日)関野、永野-野田
(東)山北、宮国-荒島

(2023年5月21日 中日スポーツ9面より)

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