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お知らせ 2023.05.07

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名古屋空襲慰霊の日 活発意見 制定へ東邦高生ら集会 千種区

名古屋空襲の「慰霊の日」について意見が出された市民集会=千種区の市立大付属東部医療センターで

 太平洋戦争中の名古屋空襲の犠牲者を追悼する「慰霊の日」の制定に向けた市民集会が6日、千種区の市立大付属東部医療センターで開かれた。2014年から市と市議会に制定の要望や請願をしてきた東邦高生徒会などが主催し、河村たかし市長のほか、高校生や市民ら約100人が参加した。(菊谷隆文)

 冒頭、1944年12月13日、三菱重工業の名古屋発動機製作所大幸工場(東区)への空襲で、学徒動員されて亡くなった東邦商業学校(現東邦高)と、金城高等女学校(現金城学院高)の生徒、教諭の計23人の名前が読み上げられた。

 約8000人が犠牲になった名古屋空襲は42~45年の間、63回と多く、慰霊の日の候補日は複数ある。参加者からは「高校生が参加しやすい春休みの3月か、夏休みの8月がいい」「戦闘機製造の中心地が狙われたところに名古屋空襲の本質がある。東邦高が最初に要望した12月13日にすべきだ」など、さまざまな意見が出された。

 東邦高では毎年12月13日を慰霊の日と定めているが、同校2年の学生(16)は「追悼式は期末テスト最終日で、参加せずに帰る生徒もいる。高校生から空襲のことを知っても実感のない子もいるのではないか」と話した。卒業生で、制定活動に携わった大学生の礒部翔馬さん(21)は「小中学校でも平和教育をしてほしい」と提案した。

 河村市長は「受験勉強ばかりせず、学校で学ぶことが大事だ」と述べた。慰霊の日について、河村市長は3月、45年に名古屋城天守閣が焼失した「5月14日」を軸に調整することを市議会で表明。市は今後、集会での意見やアンケートを参考にして制定を進める。

(2023年5月7日 中日新聞朝刊13面より)

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