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お知らせ 2022.11.16

萬古焼廃材 キラリ輝く 海星高生がアクセサリー商品化

萬古焼の廃材を活用したアクセサリーをPRする男子生徒

萬古焼の廃材を活用したアクセサリーをPRする男子生徒=いずれも四日市市追分の海星高で

 四日市市追分の海星高校の生徒が、萬古焼の廃材を使ったアクセサリーの販売を始めた。色むらやひびで廃棄されてしまう萬古焼を活用するとともに、気軽に身に着けてもらうことで伝統工芸の魅力を再発見してもらう狙い。ネットショップなどで取り扱っている。(片山さゆみ)

■伝統工芸発信へ 模擬起業コンテスト参加

 イヤリングやピアス、ヘアピンやネクタイピン。一見、萬古焼と分からない、色とりどりのおしゃれなアクセサリーが並ぶ。企画したのは、いずれも国際数理コースの2年生5人。授業の一環で参加した、高校生が商品開発から販売まで手がける「リアビズ 高校生模擬起業グランプリ」がきっかけだった。全国から55チームが参加し、海星高を含む11チームが一次審査を通過。1チームにつき30万円の資金を得て、商品化にこぎ着けた。グランプリで販売実績などを審査する期間は11月末までだが、それ以降も販売継続を予定している。

 地元の課題を探るため、生徒たちが萬古焼の窯元にインタビューすると、商品として売れない焼き物の処分に困っている実態が分かった。男子生徒は「素人目線では分からないほどの色むらや傷なのに、捨てられてしまうとはもったいないと思った」と振り返る。若い世代にもアピールしようと、アクセサリーの制作を思い付いた。

 材料となる萬古焼のかけらは市内の窯元「竹政製陶」が無償提供し、生徒たちが自宅で加工している。萬古焼は硬くて丈夫なため、加工には一苦労。金づちで砕いてからダイヤモンド製のやすりで削り、小型の電動工具でさらに微調整している。金具や飾りを付けて完成。表面は加工せず、萬古焼そのものの質感や色味を生かしている。商品の撮影や包装、ネットショップの運営も生徒が担う。

 学校生活と両立しながらの作業は忙しさを増すが、男子生徒は「自分たちが作ったものが売れるとうれしい。萬古焼の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と楽しそうだ。指導する阪田智子教諭は「起業の流れを実際に体験し、時には挫折しつつ取り組むのは、生徒たちにとって貴重な経験になる」と話した。

 ネットショップ「BASE」内のページ「ピュルテ海星」で販売している。グランプリは売り上げや広報宣伝など総合的に評価され、来年2月に決定する。(問)海星高校=059(345)0036

(2022年11月16日 中日新聞朝刊北勢版より)

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