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お知らせ 2019.11.26

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津田学園中学校

研究で疑問を探究 桑名・津田学園中 サイエンスクラブ

樹脂に紫外線を当てる実験に取り組むサイエンスクラブ部長の生徒=桑名市の津田学園中で

樹脂に紫外線を当てる実験に取り組むサイエンスクラブ部長の生徒=桑名市の津田学園中で

 夕方、通常授業を終えた生徒たちが、桑名市内の広大な敷地の一角にある校舎1階の理科室に集まってくる。1人またはグループで席に着き、実験や実験結果の整理に取り組み始めた。

 現在、1、2年生の16人が参加するサイエンスクラブは、4コースある必修の課外学習「探究基礎」を兼ねるユニークなクラブ活動だ。5年前、植物活力液の製造販売を手掛ける四日市市のフローラが、クラブの支援を通じて理系人材を育てようと学校側と産学連携協定を締結。同社など企業の研究者が毎回助言に訪れる恵まれた環境にある。

 今月中旬、活動をのぞいた。「何がどれほど紫外線(UV)を通すか」を調べる2年生の部長の生徒は、前段階としてUVに反応して固まる樹脂に、時間を変えて照射した。3分、7分では変化なし。10分で少し固まった。どう記録するか迷った生徒に、同市に事業所がある化学素材メーカーKHネオケムの森山聡さん(54)が「それぐらいなら、指触ありって書けばいい」。森山さんは有機化学が専門の理学博士で、旧知の学校幹部に頼まれ個人的に協力する。

 炎色反応を追究する2年生の生徒は、前回までの実験をもとに一人、考えを巡らせた。「仮説通りの結果が出れば達成感があるし、うまくいかなくても次の手を見つける楽しさがある。自分がしたい実験を自由にできるのはうれしい」と話した。夢は獣医師だ。

 時にはオリーブオイルでせっけんを作ったり、タマネギの皮で染色に挑戦したりと、全員で取り組む実験も。ここで関心が芽生え、自らのテーマとして掘り下げた生徒もいた。顧問の石渡陽久教諭(24)は「計画立案から始め、1年単位で一つのテーマを追う子もいます。新しい発見をして、教科書を『読む』のではなく『書く』つもりで取り組んでほしい」と期待する。

 学年末の探究基礎の成果発表会では、研究の目的、方法から結果、考察、今後の課題まで学会発表に近い形でまとめさせる。その点、外部研究者の存在は大きく「豊富な経験をお持ちで、適切なアドバイスをもらえる」と感謝する。

 フローラは、写真撮影や電子黒板への映像投影もできる顕微鏡を寄贈。部員の実験ノートを用意したり、アマゴの放流などイベントに招待したりして活動を支える。加藤智朗主席研究員(45)とともに助言役で派遣される大西勇也研究員(26)は「素直に『分からない』と言え、疑問にどう迫るか積極的に考える人になってもらえれば。生徒は成長も吸収も早く、自分もフレッシュな気分になる」と笑顔を見せた。(谷村卓哉)

■津田学園中学校

 幼稚園から高校までを経営する津田学園が、1986年に開設。6年生(高校3年生)までの中高一貫教育を行う。3年生までの生徒数は63人。全教室に電子黒板、校内全施設に無線LANが整備されるなど教育ICT(情報通信技術)が充実。生徒参加型の授業を重視し、英語教育にも力を入れる。

(2019年11月26日 中日新聞朝刊三重総合版より)

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