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お知らせ イベント  2019.07.11

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金城中・高生ら展示 広島学習 成果伝える 名東で16日から

展示される平和新聞を手掛けた生徒ら=東区の金城学院中で

展示される平和新聞を手掛けた生徒ら=東区の金城学院中で

 金城学院中学校・高校(名古屋市東区)の生徒らが広島で戦争や原爆について学び、その成果をまとめた「平和新聞」が16日から、戦争と平和の資料館「ピースあいち」(名古屋市名東区)で公開される。戦争体験者の生々しい証言や、広島への原爆投下の是非について外国人に尋ねた調査結果を紹介し、平和の尊さを伝えている。 (松野穂波)

 「15歳の語り継ぐ戦争」と題した企画展。昨年5月に修学旅行で広島を訪れた当時の中学3年生(現高校1年生)約330人が手掛けた作品のうち、約20点を展示する。

 出品者の1人、小池さん(15)は、平和記念公園(広島市)を訪れていた外国人24人に「広島に原爆を落としたことは正解だったと思うか?」と尋ねた結果をまとめた。欧米やアジアなど9カ国の出身者が回答し、6分の1に当たる4人が「正解だった」を選択。さらに「核兵器を持つべきか」の質問にも2人が「必要」と答えた。

 小池さんは驚いたが、「ひどい戦争を終わらせるためだった」など核兵器容認派の意見に「国ごとの考え方の違い」を感じたという。「テレビでは原爆で悲惨な目に遭った日本側の視点ばかりが流れるけど、米国側からみれば原爆で戦争は終わったことも事実。核兵器をなくすには、絶対駄目だと言うだけじゃなく、外国の意見も知った上で議論を深めるべきだ」と話す。

 このほか、小学校で被爆し、遺体をまたいで母親と避難した女性の話や、野生のウサギと触れ合えることで人気の広島・大久野島で、戦時中に毒ガスが作られていた歴史を紹介する作品などがある。

 同校は10年以上前から平和新聞を作り続けているが、語り部の高齢化が進み、交流を予定していた人が体調を崩すなど、年々活動は難しくなっている。「私たちの世代が伝えていかないと、戦争の記憶が途絶えてしまう」と危機感を抱き、広島から帰った後に祖父母らへの聞き取りを始めた生徒もいるという。

 企画展は9月1日まで、月曜休館。入場料は、大人300円、小中高生100円。

(2019年7月11日 中日新聞朝刊市民版より)

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