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お知らせ 2021.09.10

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安乗人形芝居 来年こそ 東海中生徒ら 稽古の中で課題発見

語りや三味線の稽古に励む生徒ら=志摩市阿児町の安乗漁民センターで

語りや三味線の稽古に励む生徒ら=志摩市阿児町の安乗漁民センターで

■関係者限定上演も見送り

 志摩市阿児町安乗地区に受け継がれる国重要無形民俗文化財で、400年以上の歴史があるとされる「安乗の人形芝居」は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。例年の芝居で活躍する同市東海中学校の「郷土芸能クラブ」の生徒らは開催を信じ稽古を続けてきたが、来年の上演に向けて気持ちを新たにしている。(阿部竹虎)

 生徒が披露する予定だった演目は「鎌倉三代記 三浦之助(すけ)母別れの段」。戦場に向かおうとする三浦之助が母親、恋人との別れの中で苦悩する姿を描いている。緊急事態宣言発令直前の8月25日、語り手と三味線を担当する生徒計6人が安乗漁民センターに集まり、抑揚を付けた語りや演奏の指導を受けていた。

 文化財の保護団体には地元住民でつくる「安乗人形芝居保存会」が登録されている。例年9月、保存会とクラブの生徒らが安乗神社境内で芝居を演じ、1000人以上の観衆が詰めかけていた。従来の方式での上演は2年連続で断念。生徒の保護者ら関係者限定で上演する場を設けようと調整してきたが、緊急事態宣言が出たことから見送った。

 保存会の尾崎寿美さん(68)は、関係者限定での上演も困難になったことを生徒に伝え「稽古のおさらいをし、来年に生かしてほしい。ここからがスタート」と呼び掛けた。

 クラブには、3人1組で操る人形の使い手も含め、16人が在籍。それぞれの持ち場で稽古に励んできた。語り手の生徒(1年)は「全体のペースに追いつけない所もあり、課題がはっきりした」と話し、三味線の生徒(2年)は「間の取り方が難しいが、通しで弾けるように頑張る」と語った。

 保存会にも人形の使い手が約25人いるが、2年前の芝居が終わって以降、感染拡大の影響で本格的な稽古ができていないという。「密」を避けるため入念な対策が必要な事情もあり、保存会は感染収束を待って来年3月ごろに再開に向けた協議をする。

(2021年9月10日 中日新聞朝刊伊勢志摩版より)

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