８回に満塁のピンチを切り抜け、グラブをたたく中部大の津波＝愛知県日進市の愛院大野球場で

　春季リーグ１部の第３週は２１日、愛知県日進市の愛院大野球場で２回戦２試合があり、中京大が３－２で愛知東邦大に、中部大が２－１で名城大にそれぞれ連勝した。中京大は勝ち点を２に、中部大は３へ伸ばした。

　中京大は２－２の６回無死三塁から、桑原が中前に適時打を放って勝ち越した。愛知東邦大は２度追い付いたが、その後が続かなかった。

　中部大は４回２死一、二塁で、木下が左中間に２点適時二塁打を放って先制。名城大は得点圏に４度走者を進めたが、好機を生かせなかった。

■津波　満塁で完璧救援

　エース候補がチームを救った。８回。１点差に迫られ、なお１死満塁から、３番手で登板した中部大の津波（つは）。今季６試合のうち５度目のマウンドで「だいぶ疲れていたが、気合で投げた」。雨が降る中、１人目を１４３キロの直球で右飛、２人目をチェンジアップで内野ゴロに仕留め、グラブをたたいて喜んだ。

　前日２０日は先発し、４回まで一人も走者を許さなかったが、５回に突如崩れて３失点で降板。自身に勝ちはつくも「防御率のタイトルを意識しすぎてバランスが崩れた。自分勝手だった」と反省しきりだった。この日はピンチでも守備陣を和ませようと、常に笑顔。９回も続けて投げ、開幕６連勝に貢献した。

　三重・四日市中央工高出。今季は先発に抑えと大車輪の働きで既に３勝し、２年生ながら投手陣の中核を担っている。本人にも自覚が芽生え始めており、「調子が悪くても抑える。優勝して全国大会で投げたい」。春季リーグ連覇に向け、右腕がけん引する。

（松本貴明）

　＝中日新聞社後援

▽愛院大　２回戦（中京大２勝）
愛知東邦大　００００１１０００｜２
中京大　０００１１１００ｘ｜３
（邦）井上、福積、川本、小林颯、中村－市岡、南出
（京）渡辺都、植松、沢田、安藤－森瀬

▽同（中部大２勝）
名城大　０００００００１０｜１
中部大　０００２００００ｘ｜２
（城）久保、天野－谷、野田
（部）肥田、原田、津波－清水智

（2024年4月22日　中日新聞朝刊16面より）