進学ナビ

HOME > 高校ニュース > お知らせ

高校ニュース

お知らせ 2020.03.24

この記事の関連校
椙山女学園高等学校

椙山女学園高の教諭が課題 休校すべき? 生徒ら探究

新聞記事などをまとめた生徒のノートを紹介する桜井さん=千種区山添町の椙山女学園高で

新聞記事などをまとめた生徒のノートを紹介する桜井さん=千種区山添町の椙山女学園高で

 新型コロナウイルス対策として、全国の小中高校などを休校にするべきか-。椙山女学園高校(千種区)の教諭が、休校中の生徒に、自分たちを取り巻く状況を題材にした「探究の課題」を出した。「未知の世界が訪れた時に自分で考えて判断する力を養ってほしい。今はまさにその機会」と捉える。 (大沢悠)

 課題を出したのは国語教諭の桜井奈々子さん(30)。2022年度から実施される新学習指導要領では、「総合的な学習の時間」に代わり、課題を見つけ解決する力を育てる「総合的な探究の時間」が設けられる。桜井さんは、総合学習の担当をしていた。

 休校中の4日、担任を務める2年2組の40人全員に手紙を郵送した。手紙には「探究の課題をプレゼントしようと思います」と記した上で、課題の内容と進め方を説明した。強制ではないため、「できるだけ多くの人が挑戦してくれたらいいな」と書き添えた。

 迎えた17日の登校日。3人が課題を提出した。生徒は各自で用意したノートに、感染経路が書かれた新聞記事を貼ったり、周りの大人から聞いた話などを書き込んだりして、休校に至った背景を調べ、結論を導いた。3人のうち、2人が休校を肯定し、1人が否定した。

 「休校にすべきだ」と結論付けた生徒は「クラスター(感染者集団)による感染が実際に何件も起こっているから。(休校により)学校内の感染が防げた」などと理由を挙げた。

 一方、「休校にすべきではない」と考えた生徒は、「仕事をしていて子どもがいる親や学校関係者、給食の材料を卸す業者の方に莫大(ばくだい)な影響を与えた」「外出を控えてもらうための休校だが、みんな遊びに行っている」と指摘した。

 桜井さんは「立場が変われば見方も変わる。物事を多面的に見て考えてもらえたのでは」と話した。

(2020年3月24日 中日新聞朝刊市民総合版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ