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お知らせ 2020.02.06

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多治見西高等学校

伊勢物語の業平 有罪なりや? 多治見西高 古典で模擬裁判 現在の法に照らし判決下す

在原業平役の生徒(中央)に被告人質問する弁護側の生徒(左)=多治見市明和町の多治見西高で

在原業平役の生徒(中央)に被告人質問する弁護側の生徒(左)=多治見市明和町の多治見西高で

 古典作品を題材にした模擬裁判の授業が3日、多治見西高校であった。物語の登場人物の行為が、現在の日本の法律ではどこに触れるのか-。1、2年生約50人が検察や弁護側などに分かれて主張し、物語への理解を深めた。(片岡典子)

 同校は2017年度ごろから県弁護士会と共同で、古典を題材にした模擬裁判の授業を取り入れている。今年の題材は、平安時代に成立した伊勢物語の一節「芥川」。思いを寄せる藤原高子(ふじわらのたかいこ)を連れ去った在原業平(ありわらのなりひら)が、刑法の略取・誘拐罪や監禁罪に問えるかどうかを考えた。生徒たちは、裁判の一般的な流れや、題材とする古典の内容を学習した後、1月上旬から、グループごとに時代背景などを調べることで裁判での主張や証拠を練り上げた。

 1年生の模擬裁判では、業平が高子を連れ去る時に同意があったかどうか、蔵から高子が逃げ出せる状態だったかが争点になった。弁護側は絵巻物などをもとに「高子が同意の上で駆け落ちした。蔵のかんぬきは腐っていて、逃げ出せる状態だった」と主張。一方、検察側は高子の証言をもとに「無理やり連れ去られた。蔵には鍵がかけてあり逃げ出せなかった」として、意見を戦わせた。裁判官役の生徒が「かんぬきがかかっていたことが証明できない」ことなどを理由に無罪判決を下した。

 弁護側の女子生徒(16)は「原文が短く情報が少なかったので、資料集や便覧などで当時の情報を調べ、証拠として言えることを積み重ねた」と話す。証人の高子役を演じた生徒(16)は「予想もしない質問をされたのが難しかった。古典は苦手だったが、友人と絵巻物や資料を調べることで読み取りを深めることができた」と充実感をにじませた。

(2020年2月6日 中日新聞朝刊東濃版より)

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