進学ナビ

HOME > 高校ニュース > 高校野球

高校ニュース

高校野球 2026.03.24

この記事の関連校
三重高等学校

選抜高校野球 三重高粘り 零封発進 佐野日大に2-0

佐野日大を破り、整列する三重ナイン=甲子園球場で

佐野日大を破り、整列する三重ナイン=甲子園球場で

 23日に兵庫県西宮市の甲子園球場であった第98回選抜高校野球大会5日目の第3試合で、三重(松阪市)は佐野日大(栃木)との初戦に臨み、2-0で勝利した。

 三重は序盤から安打は放つものの、あと一本が出ない展開。それでも6回2死満塁から、7番の大西捕手(3年)の左前適時打で2点を先制し、これが決勝点となった。

 先発の上田投手(同)は、変化球を丁寧に投げ分け、凡打の山を築いた。8回に2死一、二塁とこの試合で最大のピンチを招いたが、2番打者をスライダーで空振り三振に仕留めた。9回2死まで無四球の好投。2番手古川投手(同)が一、二塁と攻め込まれたが、最後は三振に切って取った。

 2回戦は大会8日目の26日の第3試合(午後2時開始予定)で、熊本工(熊本)と大阪桐蔭(大阪)の勝者と対戦する。

■“あと1人”抑えきる 古川投手

 「まさかここで、という気持ちだった」。最速146キロの右腕・古川投手は、甲子園のマウンドを踏んだ心境を振り返った。先発投手が9回2死まで無失点に抑える好投を見せ、“あと1人”の状況で登板を告げられた。「絶対にここで追い付かれるわけにはいかない」と闘志を燃やした。

 相手も粘り強さを発揮した。2者連続で右前打を浴び、2死一、二塁に。本塁打が出れば逆転される場面で、最後の打者を見事、空振り三振に仕留めた。「緊張感もあったが、仲間を信頼していたからこそ投げきることができた」と喜びをかみしめた。

 目標は150キロ台。本格派の右腕は、冬場のスクワットや走り込みで下半身を鍛え、直球のキレや回転数を磨いてきた。ただこの日の登板では「変化球に頼りすぎて持ち味を生かせなかった」と反省点もあった。

 試合前、一発ギャグを披露してチームの緊張を解くムードメーカーも担った。マウンドに立てたことは「素直にうれしい」と笑顔を見せ「本来の速球で押す投球ができるようにしたい」と次戦に向けて気を引き締めた。(安里秀太郎)

■昨夏悔しさ 晴らす殊勲打 大西主将

 しびれる投手戦の均衡を打ち破ったのは、捕手として読み合いを制した大西主将のバットだった。「良い打球ではなかったが、気持ちのこもった一打になった」。殊勲打を放った主将は充実の表情を浮かべた。

 互いに無得点の6回2死満塁で迎えた第3打席。2ボール2ストライクからの5球目だった。「前の打席は直球に詰まった。真っすぐで勝負するだろうと、張っていた」。狙い通り真ん中に入った直球を振り抜くと、打球はしぶとく三遊間を抜ける先制の2点適時打に。念願の初得点だったが、ガッツポーズはしなかった。「自分はキャプテン。引っ張る立場として違うと思った」

 主将には立候補した。きっかけは初戦敗退となった昨夏。ベンチで敗戦を見届けた。「この悔しさはベンチにいた人間にしか分からない。自分たちの代は悔しい思いをしないように引っ張りたい」との思いだった。気持ちが緩んでいる選手がいれば、全体ミーティングでもあえて名前を出して注意し、「このままだとチームは強くならない」と口にする。少しずつ全員の意識を変えていった。

 捕手としても、先発の上田投手、古川投手の2人をリードし、零封勝利を演出。2回戦に向け、良い流れを作った。「自分たちの野球を崩さずに次も戦いたい」。言葉に一層力がこもった。(芦原遼)

■自分たちの野球を 三重・沖田展男監督

 2年生の三振を、主将がカバーしてくれたので本当に良かったと思う。そのまま上田投手という選択肢もあったが、次戦のことも考え、経験を積ませたくて古川投手に代えた。次の相手は決まっていないが、自分たちの野球をやるしかない。

■仲間信じ 勢い乗って 一見勝之知事

 三重高らしい素晴らしい試合で、県民に大きな感動と勇気を与えてくれた。次戦も仲間を信じ、さらに勢いに乗った「三重高野球」を期待しています。

佐野日大 000000000|0
三重 00000200x|2

(2026年3月24日 中日新聞朝刊三重版より)
  • X

戻る < 一覧に戻る > 次へ