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お知らせ 2024.08.27

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能登支援で美濃の団体活躍中 看護師らの「チームメディカル」

被災地に届けるニラを準備する女子生徒(右)ら=美濃市下河和で

被災地に届けるニラを準備する女子生徒(右)ら=美濃市下河和で

■「ボランティア担う次世代育てたい」

 能登半島地震の被災地でボランティアの不足が指摘される中、美濃市に拠点を置く災害支援団体が活動を続けている。メンバーとともに名古屋市の愛知高校の生徒らも活躍しており、被災家屋の片付けや炊き出しなどの支援で被災者にとって頼もしい存在となっている。(菅谷仁志)

 団体は2022年に看護師らで設立した一般社団法人「チームメディカル」。被害の大きい石川県珠洲市や輪島市、能登町で震災発生直後から活動を続ける。現地に支援拠点も開設し、各市町の社会福祉協議会と協力。美濃市の畑で育てたニラなどの野菜を届ける取り組みも行っている。

 チームメディカルの活動にも、ボランティア不足が影響している。代表理事の杉本尚美さん(56)は、夏場は住民だけでなくボランティアの熱中症対策が大切になると強調する。医療者の立場から「被災者を支えようと頑張りすぎてしまうからこそ、健康管理が必要」と心を配るが、被災地にボランティアが足りない現状に「そういった活動以前の状態」だと話す。

 そんな中で活動の手足となっているのが、団体のメンバーと教員とのつながりから参加するようになった愛知高の生徒たちだ。

 4月に同級生2人とともに活動に参加した3年生の女子生徒(17)は、珠洲市で被災した神社などの片付けに従事。土のう袋に砂を詰めて積んだり、落ちた屋根から瓦を一枚ずつはがして集めたり。発災から3カ月以上過ぎていたが、「地震があった時の映像そのままだった」と衝撃を受けた。

 女子生徒ら3人は被災地から戻ってすぐ、学校での報告会を企画。「後輩たちにも見てほしい」と、一緒に活動するボランティアを募集した。これまでに数十人の生徒が交代で被災地を訪れている。

 チームメディカル側は「次にボランティアを担う世代を育てたい」といい、生徒たちが将来、災害時に活躍できる人材になることを願う。生徒のリーダー役となった女子生徒は「いつか自分のまちで震災が起きた時に経験を生かせるよう、さまざまな現場で支援活動を続けていきたい」。ボランティア不足の中でまいた「将来の支援者」の種は、順調に育っている。

(2024年8月27日 中日新聞朝刊広域岐阜版より)

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