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お知らせ 2021.02.06

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名古屋経済大学市邨中学校

オンライン授業に花丸 名経大市邨中・高「テレワーク推進賞」

学習支援アプリで出された課題。生徒の解答に、教員による励ましの言葉や花丸もその場で反映される=名古屋経済大市邨中・高提供

学習支援アプリで出された課題。生徒の解答に、教員による励ましの言葉や花丸もその場で反映される=名古屋経済大市邨中・高提供

 情報通信技術(ICT)を活用して休校中に授業を実践したとして、市邨学園名古屋経済大市邨中学・高校(千種区)は1月、「テレワーク推進賞」の審査委員特別賞を受けた。学習支援アプリケーションの開発企業との合同受賞で、学校法人では初。新型コロナウイルスの影響に伴う休校でタブレット端末によるオンライン授業に切り替え、生徒の解答をその場で確認できるアプリを生かして乗り切った事例が評価された。(出口有紀)

 市邨中学・高校は2017年から生徒1人に1台のタブレット端末を貸与している。板書を端末にメモしたり、課題を送受信したりと、校内外で文房具のようになじんでもらうのが狙いで、現在は全生徒約1500人に配備している。

 中学・高校はコロナ禍で昨年3月から臨時休校になった。だが、新学期が始まる4月からオンラインで通常の授業を計画。教諭らはビデオ会議や学習支援などのアプリを使った指導法を研修し、学校と自宅から授業ができるよう試みた。

 「画面上では教員が話すのは10分間が限度。生徒が飽きないよう説明は短く、課題をさせて発表してもらうなど、オンラインだからこそできることを模索した」と、国語担当の手塚哲男(たかお)教諭(40)は振り返る。

■アプリ活用 その場で書き込みや丸付け

 休校となった6月までの約3カ月間に一役買ったのが、ソフトウエア開発の「MetaMoJi(メタモジ)」(東京都港区)による学習支援アプリ。授業中、生徒たちが端末用のペンや手指で書き込んだ課題は教員らもすぐに見られる。生徒が悩んでいる部分に説明を書いたり、正解の場合に丸を付けたりできる。

 アプリでは、生徒一人一人の考える過程をつぶさに見られ、手塚教諭は「課題を理解できていないと一目瞭然。通常の授業と違い、分かったふりはできないし、その場でつまずきをなくしてあげればいい」と手応えを感じている。

 他の授業でも、生徒自身に縫い物をしたり、英文を音読したりする動画を送ってもらい、教員が個別にチェックするなど工夫した。当初の予定から遅れることなく、昨年6月からは通常の授業を再開し、夏休みも短縮しなかった。

 全国の小中学生にパソコンやタブレット端末を1人1台配備する国の「GIGA(ギガ)スクール構想」が進められている。渋谷有人(ゆうじん)校長(69)は「今後も不測の事態があれば、すぐにオンラインに切り替えられるよう備え、生徒の学びを止めないようにしたい」と期待する。

 テレワーク推進賞は日本テレワーク協会が創設し、00年から授与している。今回受賞したのは、市邨学園を含む16の企業・団体。授賞式は24日に東京都内である。

(2021年2月6日 中日新聞朝刊市民版より)

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