お知らせ 2026.09.05
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12、13日 阿児で「安乗の人形芝居」 改修後の初舞台 練習に熱

稽古に励む東海中郷土芸能クラブの生徒たち=志摩市阿児町安乗で
志摩市で450年前から続く国指定重要無形民俗文化財「安乗の人形芝居」が12、13の両日、同市阿児町の安乗神社で上演される。およそ半世紀ぶりとなる舞台の大規模改修後、初めての開催。新たな幕開けを前に、伝統を受け継ぐ子どもたちの練習にも一層力が入っている。(大高千奈)
神社境内にある舞台に2日、同市の東海中学校郷土芸能クラブの生徒17人が集まり、真剣な表情で人形を操った。子どもたちが出演するのは、12日の「鎌倉三代記 三浦之助(みうらのすけ)母別れの段」。母親の病を案じて戦場から戻った三浦之助と恋人・時姫の人間模様を描く。
生徒たちは校内で5月から稽古を重ね、この日は初めて本番と同じ舞台に立った。舞台は改修工事を終えたばかりで、クラブ部長の生徒は「新しい舞台に立ててうれしい。3年間の集大成を見せたい」と意気込んだ。
安乗の人形芝居は、戦いで武功を立てた志摩国の国主、九鬼嘉隆が安乗神社にお礼参りに訪れた際、地元住民が踊りや芸能で歓迎したのが起源とされる。3人一組で人形を操る「遣(つか)い手」と物語を読み上げる「太夫」、三味線奏者の3役で構成し、神社の秋季例大祭で毎年奉納してきた。
両日とも開演は午後6時半で、入場無料。12日には舞台改修を記念した特別企画として、8年前に閉校した安乗中学校のOB・OGらが遣い手として出演する演目もある。13日は、地元で継承活動に取り組む「安乗人形芝居保存会」が3演目を上演する。保存会の尾崎寿美会長(73)は「舞台の改修を機に、気持ちを新たにスタートしたい」と話した。
同市磯部町の市歴史民俗資料館では23日まで、過去の人形芝居の様子を写真や解説パネルで紹介する企画展を開いている。
(問)同館=0599(55)2881
■船底型舞台 1860年建築 古い形式、全国で三つ現存
志摩市教委によると、安乗の人形芝居が上演される舞台の原型は1860(安政7)年に建てられた。上段と下段に分かれた「船底型(ふなぞこがた)舞台」と呼ばれる特殊な造りで、古い形式を残しているものは全国で三つしか現存しない。老朽化が進んでおり、昨年10月から改修工事が進められていた。
耐震補強を施したほか、屋根をふき替え、外壁と内装を一新した。夏場の稽古に備えてエアコンやスポットクーラーを設置。照明は発光ダイオード(LED)化し、より鮮明に芝居を見られるようになった。
舞台の大規模改修は1982年以来。総事業費は約5400万円で、一部は国や県の補助金で賄う。
(2026年9月5日 中日新聞朝刊伊勢志摩版より)
