お知らせ 2024.11.28
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中学生 ドローン作って飛ばして 皇学館中・未来理工部
■大学ゼミなどと、ものづくり学ぶ
伊勢市の皇学館中学校の未来理工部に所属する生徒が今秋、ドローンの製作や操縦に挑戦した。皇学館大教育学部や、自作ドローンの普及に取り組む団体と連携し、ものづくりを通して楽しみながら、論理的思考力や協調性を養った。(大見亜蘭)
未来理工部は現在、10人が所属している。部活動としてプログラミングや簡易なゲーム作成に取り組み、成果を文化祭で発表している。大学の教育学部の大杉成喜教授(63)のゼミと連携し、2年前から部員を対象にプログラミング講座を開いてきた。
今回はドローンを一から作り上げることで、飛ぶ原理や構造を学び、ものづくりの楽しさを知ってもらうことを目指した。大杉教授の紹介で、ドローンを自作する講座や、オリジナルドローン製作などを手がける有志団体「AHoDRI(アホウドリ)」のメンバーを講師に招いた。
未来理工部の顧問を務める吉田康人教諭(45)は「ドローンを製作することで、ものづくりに取り組む企業が社会で果たす役割も知ってほしかった」と意図を説明する。
講座は9月から月1回ずつ中学校や大学で開かれ、メンバーがドローンの飛行原理や組み立て方法を説明。生徒たちは2人1組で接着剤やねじを使い、3Dプリンターで作られた部品を組み立てた。
配線をはんだ付けして基板同士をつなぎ、操縦するための電子回路も製作。製作したドローンはマイクロコンピューターで制御され、ゲーム用のコントローラーから無線操縦ができるようになっている。
24日に大学であった最終回の講座では、エンジニアで「AHoDRI」メンバーの梶田直哉さん(45)を講師に、製作したドローンを使ったミニレースが繰り広げられた。金属製の軸に合成繊維を巻いた約60センチの輪が高さを変えて設置され、生徒たちは自作したドローンを操縦し、くぐって点数を競った。安定した飛行で輪をくぐり抜けた時には、対戦相手からも歓声が上がっていた。機体のトラブルでうまく飛ばない時には、梶田さんや大学生が修理して生徒たちをサポートした。
部員で3年の小林拓叶さんは「機体を安定させるのに苦労した。はんだ付けで線と線とをくっつけるのが難しかったけど、実際にドローンが飛んでいる姿を見ると達成感があった」と感想を語った。
吉田教諭は「子どもたちはゼロから製品を作る大変さを学ぶ機会になったと思う。失敗した時にどうすれば良いか考える力を身に付けるきっかけにもなったのでは」と振り返る。梶田さんは「モノづくりの経験が浅い子たちにとって、つまずきやすいポイントを知ることができた。わからない部分をきちんと伝えてくれる素直さを、これからも伸ばしてほしい」と願いを語った。
(2024年11月28日 中日新聞朝刊伊勢志摩版より)
伊勢市の皇学館中学校の未来理工部に所属する生徒が今秋、ドローンの製作や操縦に挑戦した。皇学館大教育学部や、自作ドローンの普及に取り組む団体と連携し、ものづくりを通して楽しみながら、論理的思考力や協調性を養った。(大見亜蘭)
未来理工部は現在、10人が所属している。部活動としてプログラミングや簡易なゲーム作成に取り組み、成果を文化祭で発表している。大学の教育学部の大杉成喜教授(63)のゼミと連携し、2年前から部員を対象にプログラミング講座を開いてきた。
今回はドローンを一から作り上げることで、飛ぶ原理や構造を学び、ものづくりの楽しさを知ってもらうことを目指した。大杉教授の紹介で、ドローンを自作する講座や、オリジナルドローン製作などを手がける有志団体「AHoDRI(アホウドリ)」のメンバーを講師に招いた。
未来理工部の顧問を務める吉田康人教諭(45)は「ドローンを製作することで、ものづくりに取り組む企業が社会で果たす役割も知ってほしかった」と意図を説明する。
講座は9月から月1回ずつ中学校や大学で開かれ、メンバーがドローンの飛行原理や組み立て方法を説明。生徒たちは2人1組で接着剤やねじを使い、3Dプリンターで作られた部品を組み立てた。
配線をはんだ付けして基板同士をつなぎ、操縦するための電子回路も製作。製作したドローンはマイクロコンピューターで制御され、ゲーム用のコントローラーから無線操縦ができるようになっている。
24日に大学であった最終回の講座では、エンジニアで「AHoDRI」メンバーの梶田直哉さん(45)を講師に、製作したドローンを使ったミニレースが繰り広げられた。金属製の軸に合成繊維を巻いた約60センチの輪が高さを変えて設置され、生徒たちは自作したドローンを操縦し、くぐって点数を競った。安定した飛行で輪をくぐり抜けた時には、対戦相手からも歓声が上がっていた。機体のトラブルでうまく飛ばない時には、梶田さんや大学生が修理して生徒たちをサポートした。
部員で3年の小林拓叶さんは「機体を安定させるのに苦労した。はんだ付けで線と線とをくっつけるのが難しかったけど、実際にドローンが飛んでいる姿を見ると達成感があった」と感想を語った。
吉田教諭は「子どもたちはゼロから製品を作る大変さを学ぶ機会になったと思う。失敗した時にどうすれば良いか考える力を身に付けるきっかけにもなったのでは」と振り返る。梶田さんは「モノづくりの経験が浅い子たちにとって、つまずきやすいポイントを知ることができた。わからない部分をきちんと伝えてくれる素直さを、これからも伸ばしてほしい」と願いを語った。
(2024年11月28日 中日新聞朝刊伊勢志摩版より)