2021年4月新キャンパス誕生
おもしろ授業 2019.04.01
大同だからできる 実際の学び【実学教育】自ら感じる社会の手応えが、学生たちの成長を促します。
【機械セミナ】 楽しく学ぶことで、学びの意欲へ。
◆工学部 機械工学科 (1年次後期)1年次後期に開講される「機械セミナ」は、いよいよ深まっていく専門分野の学びに向けて、学生たちの“学びの意欲”を喚起することを目的としています。
そのために「機械セミナ」では、二つのテーマを設定しています。
まずは実際にモノづくりの現場を「見る」こと。愛知県は製造業が盛んです。その恵まれた環境を利用し、実際に日頃見ることができない大規模な工場などを訪問し、現場に触れることで、これから学ぶ分野の必要性や、自らの将来像を想像します。また、単なる「見学」で終わらせないために、訪問前に課題が与えられ、学生たちはその答えを現場で探しレポートにまとめます。学びの意欲をかき立てると同時に自ら情報を収集する力を身につけさせることも考えられています。
そして、もう一つが実際に「つくる」こと。
厚紙で片持ち梁はりをつくり、梁はりの先端におもりをつるして、その強度を競い合う「ペーパービーム製作コンテスト」。片持ち梁はりとは、文字通り片側だけで支えられている梁はりのことです。紙という材料は、引張に強く圧縮に弱いという特性があります。力のかかり方,材料の特性を理解することが「材料力学」の第一歩につながります。
先生はあえて何もヒントは与えません。ここでは自分たちのアイデアがすべてです。学生たちは仲間と話し合いながら、どうしたら強度を高めることができるかを考えます。元々、モノづくりに興味がある学生たちですから、夢中になってモノづくりに取り組む様子からは、自ら考え、工夫し、つくることの楽しさが伝わってきます。一番優秀な作品を競い合う最後のコンテストも白熱したものになります。学生たちは楽しみながら、機械工学への興味を募らせていくのです。その興味が、専門分野への“学びの意欲”へとつながります。
【建築設計4(C-Scape)】 国籍や文化の壁を越えて同じ課題に取り組み、互いを高め合います。
◆工学部 建築学科 建築専攻・インテリアデザイン専攻 (3年次後期)「建築設計4(C-Scape)」は、ミラノ工科大学(イタリア) の建築学科の学生と本学の学生が共通の設計課題に取り組む、国際交流授業です。国籍や文化の異なる学生との交流によって、固定概念に捉われない発想力を身につけます。
この授業では、毎年、大同大学とミラノ工科大学が交互に課題を出し合います。
2017年度は「イタリアのカザルサ地区にある旧兵舎の建て替え」が課題になりました。対象となる敷地の環境調査のためにミラノ工科大学の学生とメールを使って情報交換をします。使う言語はもちろん英語。適宜、指導教員による翻訳のサポートを受けながら進められますが、完璧な英語でなくても、単語と図面、イラストなどを駆使してコミュニケーションを図ることで、建築としての学びだけでなく、英語力とコミュニケーション力も鍛えられます。
敷地や周辺環境についての調査を終えると、次はこのプロジェクトにおいて最も重要なコンセプト策定です。地域貢献、建物の有効活用など、あらゆる側面から自由に考え、コンセプトを決定します。学生は「正解のない問い」に対して自らが考える「正解」を生み出すために、1年次から3年次までに学んだ、すべての建築知識を総動員します。教員は、学生のアイデアを否定するのではなく、共に考えるというスタンスで接します。
コンセプトが固まると、設計・模型づくり、プレゼンシートを作成します。その過程ではミラノ工科大学の学生と経過や成果を情報交換し、お互いの価値観を共有していきます。
そして最後には、有志を募ってミラノでの合同発表会に参加。また、両校で展示会も開催されます。優れた建築家が海外で活躍することも多い昨今、そのベースとなる発想力とコミュニケーション力、さらに課題に向けて全力で取り組む姿勢を身につけます。C-Scapeでは実社会で活躍するために必要な力と姿勢を育みます。
【情報デザイン基礎実習C・D・E・F】より良いものをつくりたいという強いスピリットを持つクリエイターをめざします。
◆情報デザイン学部 情報デザイン学科(C・D:2年次前期/E・F:2年次後期)「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」では、1年次に幅広く学んだ「デジタルグラフィックス」「メディアクリエイティブ」「メディアコミュニケーション」「プロダクトデザイン」の4分野のうち、自分の興味のある分野を2つ選び、より深く学びます。どの分野もクリエイティブ業界で活躍するためのスキルを得ることを目的としています。
それぞれの分野で主に学ぶのは、次のとおりです。「デジタルグラフィックス」分野は、コンピュータソフトを使用して、主に平面デザインに取り組みます。最終的にはポスターなどにまとめて、プレゼンテーションします。「メディアクリエイティブ」分野は、実写とCG、サウンドを駆使して、30秒の映像作品をつくり上げます。「メディアコミュニケーション」分野では、WEBデザインについて学びます。HTMLの基礎からページ構成など、WEBサイトのデザインに必要となる技術について実践的に学びます。「プロダクトデザイン」分野は、リサーチ、コンセプト立案、アイデア展開、試作制作、評価、提案などデザインワークの基礎的な流れを、実際の身近な製品をデザインする課題に取り組むことで学びます。
「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」では、かなりの時間を、「企画づくり」に費やします。どのようなテーマやコンセプトでいかに相手に伝えるかということを重視するからです。先生は、学生のつくった企画案に対して、つねに「なぜ」と問い続けます。なぜ、そのようなものをつくろうとしたのか、見る人に何を伝えようとしたのか、何を表現したいのかなど。学生はゼロから何かを生み出す難しさを体験します。一方で、そのような学生の苦労を理解するその道のプロである先生に寄り添われ、アドバイスをもらう過程で、学生は、より良いものをつくりたい、人に何かを伝えたいという思いを強くしていきます。この授業では、一人で何もかも手がけます。たとえば「メディアクリエイティブ」分野では、30秒の映像作品を作り上げるのに、自分でカメラを回し、CGをつくり、サウンドをつくり、ナレーションをつけます。
現代のクリエイティブ産業では、チームで協働するクリエイターの仕事の内容を熟知し、適切な指示や依頼ができることが求められます。そのためには、それぞれの分野の知識やスキルのみならず、抱える苦労や悩みを理解し、リスペクトし合うことが必要です。この授業を通して一人で作品を作り上げる苦労を、身をもって体験した学生だからこそ、それが可能となるのです。
ただ言われた作業だけをするクリエイターは、求められていません。「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」は、仲間たちと共に、より良いものをつくりたい、あるいは人に何かを伝えたい、そんな強いスピリットをもつクリエイターを育てます。