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お知らせ 2019.06.25

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多治見西高等学校附属中学校

生徒1人にタブレット1台 プリントなし 質問はメールで 多治見西高付属中

植物をタブレット端末で写真に撮って分類する生徒=多治見市明和町の多治見西高付属中で

植物をタブレット端末で写真に撮って分類する生徒=多治見市明和町の多治見西高付属中で

 県内有数の情報通信技術(ICT)を活用した授業を実践する多治見西高校付属中学校(多治見市明和町)で、公開授業があった。生徒1人がタブレット端末1台を使い、プリント類は全くなし。生徒が端末に書き込んだ答えは、教員が瞬時に把握でき、同校は「生徒一人一人にきめ細かい指導が可能」としている。(渡辺真由子)

 「今から確認シート送るよ」。1年生二十数人のクラス。英語科の岩島義弘教諭が呼び掛けると、生徒は端末を操作し、送られてきたシートを画面に呼び出した。

 シートには、複数の疑問文や否定文が書かれている。生徒は直前に2人1組でやった自己紹介と相手への質問で使った文型に、指先で丸を付けた。空欄には日本語で感想も書き加えた。

 全員が書き終わったかどうかは、教諭の持つ端末で一目瞭然で、理解度も一目で分かる。岩島教諭は「今では端末なしには授業できません」と話す。

 理科の授業では、4人程度のグループに分かれ、植物の根がどのような形になっているかを観察。生徒は端末で写真に撮って分類した。女子生徒(14)は「種類ごとにまとめて、みんなに見せるのが苦にならない。共有も簡単にできます」と端末をスムーズに使いこなす。

 同校では4年前から、ほとんどの科目で端末を使った授業を実施しており、使い方は教諭のアイデア次第。日本教育工学協会が認定する学校情報化優良校にも県で唯一選ばれている。この日の公開授業は、他の学校関係者や通信会社社員ら40人が見学した。

 同校によると、生徒は自宅でも端末を活用している。宿題の提出は、勉強した部分のノートを写真に撮って送るほか、教諭にメールで直接質問することもできる。

 同校ICT担当の小木曽賢吾教諭は「指導する側にとっては無駄な時間を減らすことができ、その生徒に向き合える。生徒側にとっても分からないことをそのままにしない仕組みが整っている」と指摘する。

 全員が端末でつながっていることから、同校は会員制交流サイト(SNS)を悪用したいじめなどが起きないように、生徒がメールで連絡できるのは教諭と親のみに設定しているという。

■記者の#つぶやき

 宿題や授業で書いたノートなどはネット上で共有すると端末で他の子も見られるそうです。公立校で導入する場合、勉強が苦手な子にとってノートを見られるのがつらくはないのか気になります。

(2019年6月25日 中日新聞朝刊東濃版より)

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