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受験道 by 河合塾

夏までに語彙力、精読力養おう ■市位星弥さん

河合塾英語科講師

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 2023年度の大学入学共通テストの英語は、リスニングには大きな変化がなかった一方、リーディングは約6200語と前年度より約150語増え、3年連続で6千語を超える出題でした。さらに、複数の情報を照合して解く設問や、時系列が前後する物語文(第5問)などに戸惑った受験生も多かったようです。

 では、このような試験に向けてどう対策すればよいでしょうか。一つ目は、「語彙(ごい)力の早期完成」です。夏前までに単語帳を1冊、まず完璧に覚え、遅くとも夏休みには熟語の暗記に取り組みましょう。共通テストでは大量の英文を処理しなければならないため、一つ一つの語彙の意味を反射的に言える状態を早めにつくることが重要です。

 二つ目は「精読力の養成」です。共通テストのリーディングは分量の多さから「速読」が強調されますが、選択肢を検討する際などに「精読」をおろそかにして読むと誤読し、「何となく読めているのになぜか正解できない」ということがよくあります。読むスピードは練習量に比例して徐々に上がるので、焦ることなく、まずはそのベースとなる正確な読解力を高めていきましょう。5文型を意識しながら、例えば学校の教科書の英文を正確かつスムーズに訳せるかを確認していくとよいでしょう。予備校で教えていても、以上の点を理解して地道に取り組めた生徒は、小手先のテクニックではない「本物の英語力」を身につけ、本番で予想とは形式が違う出題があっても、動揺することなく対応できています。

 “Make haste slowly(ゆっくり急げ)”ということわざがあります。まずは夏までの約3カ月、以上のポイントで基礎固めをしていきましょう。

(2024年4月12日)

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