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受験道 by 河合塾
問題の解説、すぐに読まない ■市位星弥さん
河合塾英語科講師

今回は、この時期多くの受験生から質問される過去問演習の仕方について話したいと思います。一般的に過去問演習というと、「時間を計って解く→答え合わせ→解説を読む→解き直し」というのをイメージすると思いますが、実は気をつけてほしい点があります。それは「答え合わせをしたあとすぐに解説を読んではいけない」ということです。
例えば共通テスト対策用問題集の解説などを思い出してみてください。解説には「第〇段落第〇文に~とあるので…が正解」などと解答根拠が示されていると思いますが、その根拠となる箇所が分からないから正解にたどりつけなかった、という経験はありませんか? そう、重要なのはその解答根拠を自力で見つけられることなのです。
ですから、答え合わせをしたあとに間違った問題や何となく正解したものを中心に、時間を意識せずにじっくり英文を読み直し、「なぜそれが正解なのか」を徹底的に考え直しましょう。そのあとで、どうしても分からない問題の解説を読み込んでいくのです。また、その上で不十分な知識や解法等を、これまで使ってきた参考書や問題集に戻って確認する、という作業も併せて行いましょう。
また、これは読解だけでなく、リスニングでも同じです。聞き取れなかったものについては、すぐにスクリプトを見てしまうのではなく、何度も聞き直して、分からなかった部分を書き取ったり、声に出したりすることで、流れてきた音声を自力で「復元」できるまで繰り返しましょう。
入試が近づいてくると、とりあえず量をこなすことで乗り切ろうとする人がいますが、ただ量をこなすのではなく、上で述べた方法を使って「一つの問題から吸収できるものはすべて吸収する」というつもりで丁寧に復習をしてほしいと思います。
(2025年12月12日)
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