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受験道 by 河合塾

共通テスト数学、二つの対策を ■宮田篤志さん

河合塾数学科講師

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 大学入学共通テストの数学で高得点を取るにはどんな対策をすればよいか。これまでの出題を振り返ると、数学をきちんと学習することが高得点を取るための必要条件だと言えます。まずは、出題分野の教科書の例題レベルの基本問題が、どの分野でも解けるようになることを目標にしましょう。共通テストは出題範囲からまんべんなく出題されるので、苦手分野をつくらないことが大切です。

 用語や記号を正しく理解するように努めましょう。例えば、「有理数」はどのような数か説明できるでしょうか。集合記号の「∈」と「⊂」の違いは理解しているでしょうか。用語や記号の理解が不十分だと、足をすくわれる問題も出題されています。教科書などを使って必ず確認しておきましょう。

 共通テストはマークシート方式ですが、関数のグラフを選択肢から選ぶ問題や証明問題も出題されます。従って、普段の学習でも答えのみ出せばよいと考えず、グラフを描いて値の変化を考察したり、解答に至るまでのプロセスを記述したりするようにしましょう。

 日常生活にちなんだ問題や、会話形式の問題が出題されるのも共通テストの特徴です。2025年1月に実施された共通テストでは数学1Aで、公園にある噴水の高さを求める問題が出題されました。この手の問題は長文であり、素早く解くためには形式に対する慣れが必要です。共通テストの過去問や模試、河合塾の共通テスト対策講座などで演習をして対策しましょう。

 以上をまとめると、ポイントは「数学をきちんと学習すること」と「形式に対する慣れ」です。この二つを意識して対策をしていきましょう。

(2025年5月9日)

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