進学ナビ

HOME > ウォッチ!大学入試 > 国語記述式 導入あと1年余 中部10大学 対応決まらず

ウォッチ!大学入試

新テスト

国語記述式 導入あと1年余 中部10大学 対応決まらず

 2020年度から実施される大学入学共通テストについて、中日新聞社は中部9県(愛知、岐阜、三重、静岡、長野、福井、滋賀、石川、富山)の国立大と愛知県立大、名古屋市立大の計16大学にアンケートを実施した。初めて導入される国語の記述式問題では、9大学が「(成績を得点化して)使用するが、配点は検討中」と回答。愛知県立大は使用するかどうかも検討するとした。(芦原千晶)

表

 大学入試では受験生に配慮し、2年前までに配点などの試験方式を決めるのが望ましいとされている。本番まで1年余りの時期になっても、中部の10大学が対応を決められない異例の事態となっている。

 国語の記述式問題をめぐっては、採点者にアルバイトが加わる可能性があることや、採点者によって採点がばらつく恐れがあるため、受験者による自己採点が難しいといった課題が指摘されている。野党が導入見送りを求め、国会での論争にも発展している。配点を決めていない各大学は、記述式の課題に国側がどう対応するのか、見極めようとしているとみられる。

 アンケートでは、文部科学省が20年度の大学入学共通テストへの導入を見送った英語の民間検定試験を、大学が独自に、同年度から新たに入試に活用するかも聞いた。出願資格などに使う方法があるが、「活用する」と答えた大学はなかった。推薦などを除いた一般入試で、これまでも英語の民間検定試験の成績を入試に活用してきた金沢大や福井大の一部の学部は、20年度も同様に使うという。名古屋市立大は12月13日をめどに方針を公表する。

国立80校「民間試験不要」 英語の導入見送り受け

 2020年度が初回となる大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入を文部科学省が見送ったことを受け、学部入試を実施する国立大82校のうち80校が29日までに、同年度の一般選抜(一般入試)で、民間試験の受験を必須としない方針を公表した。共通テストへの導入見送り前は78校が使うとし、多くが出願時に民間試験の成績提出を義務付けていた。

 国立大の一般選抜は、大学入試センターが作成する共通テストと、大学独自の2次試験の結果で合否が決まる。

 民間試験導入を見送った文科省の決定にかかわらず、大学の判断で民間試験を組み込めるが、大部分が方針を転換した。民間試験を必須とする方針を維持したのは、東京海洋大の一部の学部のみだった。東京学芸大は対応を決めていない。

 民間試験の活用を求めてきた国立大学協会(国大協)は、導入見送りを踏まえ、各大学の新方針を、29日をめどに公表するように要請。その結果を共同通信がまとめた。

困惑「みんな疑心暗鬼」 憤り「導入の意義ない」

「大学入学共通テスト」の試行調査に臨む高校生ら=2018年11月、名古屋市千種区の名古屋大で
「大学入学共通テスト」の試行調査に臨む高校生ら=2018年11月、名古屋市千種区の名古屋大で

 大学入学共通テストの国語の記述式問題の配点を、少なくない大学が決めていないことが分かった。関係者からは、「早く課題を解決して」と混乱収束を切望する声だけでなく、「実施しないで」との本音も聞こえてくる。

 「記述式問題が飛ぶ(=実施しなくなる)んじゃないかと、みんな疑心暗鬼になっている」。アンケートの補足取材に応じた大学関係者は本音を語った。記述式をめぐる国会論争や報道が続き、英語の民間試験と同じ運命をたどるのではとの疑念が消えないという。

 記述式の配点を決めた別大学の担当者も「本当は実施しないでほしい」と本音を明かす。「国立大学協会が成績を加点して使えといったから使わざるをえないが、公平な採点ができるのか信用できない」。配点を検討中と回答した大学の関係者も「なるべく合否に影響がないように加点したい」と本音を語った。

 記述式問題はそもそも、マークシート式では測りきれない「表現力・思考力・判断力」を問うために導入された。「試行調査では採点しやすいよう設問に条件がつき、従来問うはずの力も測れなくなっていた。導入の意義はない」と切り捨てる声もあった。

 一方、既に配点を決めた大学の関係者は「英語に続いて記述式も見送りになったら入試改革の意味はないし、労力も無に帰す」と語った。アンケートでは「記述式に問題を感じていない。採点を信頼している」と記した大学もあった。

(2019年11月30日)

2020年度入試志望動向

新テスト

2019年度入試志望動向