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英語民間試験 戸惑いの船出 高校生「採点基準など疑問」

 2020年度に始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間検定試験のうち「英検」の受験予約申し込みが18日に始まった。7種類の民間試験の先陣を切る形で、新しい仕組みが実質的に動きだした。しかし、会場や日程が明らかでない民間試験も多い。「本当に実施できるのか」。高校生や教員からは懸念の声が相次ぐ。(諏訪慧)

第1弾 英検予約始まる

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 「来年のことなのに、決まっていないことが多い」。名古屋市の河合塾千種校で8月、共通テスト対策講座を受講した高校2年生の男子生徒(17)は不安を打ち明けた。

 申し込みが始まった英検だが、試験日は「2020年の4~7月のいずれか」と示すにとどまり、具体的な会場は来年2月に発表するという。多くが受験するとみられる「GTEC」は来年6、7、10、11月に1回ずつ試験を行うと公表したが、場所は「47都道府県」とするだけで詳細は「秋に公表予定」だ。

 男子生徒は英検を受けようと考えている。当初は参加予定だった「TOEIC」が7月に突然撤退を表明したことを念頭に「他の民間試験も取り下げることもあるのでは」と気をもむ。

 今月6日夜には東京・霞が関の文部科学省前で民間試験の導入反対を訴える集会があった。参加した2年生の男子生徒(17)は「異なる民間試験の採点基準が同じかどうかが疑問。公平な入試制度には思えない。受験生のための仕組みになっていない」と指摘した。

 戸惑いは教える側からも。愛知県の私立高の英語教諭は「試験概要は試験の実施団体がさみだれ式に公表しており、情報を整理するのも大変」。複雑な制度や手続きを指導する必要があり「英語を教えるのに力を注ぎたいのに」と悩む。

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 全国高等学校長協会は10日、へき地の受験生に移動や交通費の負担がのしかかることや、家庭の経済状況で受験機会に格差が生まれるといった課題が解決されていないとして、実施延期を求める要望書を文科相宛てに提出した。

 文科省は民間試験の概要や各大学の対応を確認できるポータルサイトを立ち上げたが、学校現場からは「多くが決まっていないことが明確になった」との声が漏れるなど、逆に不安を助長する結果となっている。

 共通テストを運営する大学入試センターは17日、民間試験を実施する全6団体との協定締結を終えたと発表。萩生田光一文科相は同日の会見で「不安や懸念を解消するため、必要な対応策を検討し、早急に取りかかるよう指示している。当初のスケジュール通り実施することを前提に全力で取り組むことが重要だ」と述べた。

予約金 返還に変更 受験辞退

 「英検」の予約申し込み受け付けは協会のホームページで始まった。10月7日午後5時まで。予約金は3000円で受験料へ充当される。協会は当初、本申し込みをやめたとしても返金しない意向だったが、萩生田光一文部科学相が記者会見で、返還の検討を要請したと表明。予約受け付け終了翌日の来月8~15日に申し出があれば、手数料を引いて返金すると方針転換した。協会は、予約金を支払った受験生が来年2月の本申し込みをした場合、必ず座席を確保するとしているが、本申し込みは先着順のため、希望する日時や会場で受験できるとは限らない。

英語民間検定試験 大学入試センター試験の後継として、2020年度に始まる「大学入学共通テスト」の英語で、導入が決まった。「読む・聞く・書く・話す」の4技能を問うため、英検やGTEC、TOEFLなど6団体7種類の試験が活用される。成績は大学入試センターの「共通ID」で管理され、受験生は今年11月以降、ID発行を申請する必要がある。試験は20年4~12月の間に最大2回受験できる。

(2019年9月19日)

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