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Q. 欧州発「CEFR」とは?

 2020年度から始まる大学入学共通テストで、7種類ある英語の民間検定試験の成績を比べるのに「CEFR」という枠組みが活用される。どのような枠組みなのか。(諏訪慧)

A. 偏見なくすための枠組み

文章にまとめられたCEFR
文章にまとめられたCEFR

 名古屋大の野口裕之名誉教授(テスト理論)によると、「外国語の学習、教授、評価のための欧州共通参照枠」などと訳され、300ページ近い文書にまとめられている。国際機関「欧州評議会」(フランス・ストラスブール)が2001年に公表した。過去の戦争を反省し、複数の言語を学ぶことで偏見や差別をなくし、言語の違いを超えた協力を促すことが狙い。英語だけでなくフランス語、ドイツ語なども対象になっている。

 「読む」「聞く」「書く」「話す(会話でのやりとり)」「話す(表現力)」という要素と、それらを総合した「全体的な尺度」についてそれぞれ、最も低い「A1」から最も高い「C2」の6段階で表し、言葉を使って具体的にできることを複数の例文で示している。例えば、下から2番目の「A2」の全体的な尺度は「簡単で日常的な範囲なら情報交換に応じることができる」などだ。

 日本ではセファールと呼ばれることが多い。「国際標準規格」と訳されることもあるが、野口名誉教授は「規格ではない」ときっぱり。「規格なら、各レベルで『○○ができなくてはいけない』という明確な区分けがあって当然だが、CEFRは『何ができるか』を例示してイメージとして外国語能力を表す」と説く。

多様な検定 評価活用は困難

 日本のように欧州各国でもさまざまな団体が外国語試験を実施。団体は試験の成績と、成績に応じたCEFRのレベルを受験者に報告し、受験者は母語とは異なる言語圏で留学や就職をする際に申し出て、個人の能力の目安として活用される。

 一方、日本の共通テストでは英語の民間検定試験の成績をCEFRに対応させ、加点に用いる大学もある。「そもそもCEFRは、優劣をつけるための枠組みではない。CEFRに対応させたからといって、異なる検定試験の成績は比べられません」。検定試験は、例えば「話す」力を測る方法が試験によって面接と機械への吹き込みに分かれ、吹き込みは面接ほど会話でのやりとりを十分に評価できない。

 欧州評議会は昨年、CEFRの増補版を公表。「A1」の下に「A1以下」、「A2」の上に「A2プラス」を設けるなど最多で11段階にレベルを細分化した。一方、共通テストに使われるCEFRは6段階のままとなっている。

(2019年7月28日)

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