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79国立大 英語に民間検定

 文部科学省は31日、大学入学共通テストで導入される英語の民間検定試験について、国立大全82校の活用予定を公表した。79校が何らかの形で活用するが、出願資格とするものから、共通テストでも実施する従来型マークシート試験への加点とするものまで内容は幅広かった。高校が英語力を証明することで代替できる大学もあったほか、北海道大、東北大、京都工芸繊維大の3校は全学部で活用しない。

共通テスト 活用法はばらつき

 共通テストは大学入試センター試験の後継として2020年度から始まる。検定試験がどの程度合否に影響するかは大学によって大きく異なり、受験生への丁寧な周知が求められそうだ。

 内訳は重複を含め「一定以上の成績取得を出願資格とする」40校、「成績を点数化してマーク式に加点」33校、「出願資格にした上で加点」7校、「一定以上の成績でマーク式を満点扱い」3校など。

 出願資格とする大学は、語学力の国際標準規格「CEFR(セファール)」の6段階評価で下から2番目の「A2」(英検準2級程度)を基準としたところが多く、最も低い「A1」(英検3級程度)の大学もあった。英検3級程度は、国が中学卒業時点での目安としており、幅広く受験生を受け入れたい大学側の意図があるとみられる。

 活用内容が未定だったり、学部ごとに異なったりする大学もあったほか、東大や京大など8校は検定試験の成績提出を必須とせず、高校が英語力の証明書を出せば出願資格を認めるとした。

 活用見送りの3校は、居住地域や家計の状況で検定試験を受ける機会が左右されることや、内容が違う複数の検定試験を同列に比べることを問題視した。筑波技術大も保健科学部は活用しない。

名大などは「出願資格」

表

 中部地方では、14大学全てが英語の民間検定を活用する。

 出願資格とするのは名古屋大、岐阜大の医学部医学科、浜松医科大、滋賀大、金沢大、福井大、滋賀医科大。このうち名古屋大など4大学はCEFRで下から2番目の「A2」(英検準2級程度)以上、金沢大と福井大は1番下の「A1」(英検3級程度)以上を基準とした。滋賀医科大は「基準は未定」としている。

 ただ、名古屋大と浜松医科大は、高校などが作成する証明書で「A2」以上と認められれば出願でき、民間検定は必須ではない。

 点数化して大学入学共通テストの成績に加点するのは、信州大、岐阜大(医学科以外)、静岡大、三重大など8大学。信州大の教育学部英語教育コースは「A2」以上を出願資格とし、共通テストに加点する。

 福井大の国際地域学部は出願資格とした上で、CEFRで上から2番目の「C1」以上の成績だと共通テストの英語を満点と見なす。富山大の人文学部、理学部、工学部は民間検定の成績をCEFRに基づいて得点化し、共通テストの英語と比べて高得点の方を用いる。

進学校「話す力」など対策

テクニック重視に懸念も

中1と中3を対象にしたネーティブの教師による英語講習=昨年8月、愛知県江南市の滝中で
中1と中3を対象にしたネーティブの教師による英語講習=昨年8月、愛知県江南市の滝中で

 大学入学共通テストの英語は従来の「読む・聞く」から、「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測るようになる。民間検定試験の受験も含め、学校現場では対策が始まっている。

 愛知県江南市で中学・高校を運営する滝学園は、本年度から高1や高2に民間検定試験「GTEC(ジーテック)」を本番に近い形式で受験させるほか、昨年から中1と中3にネーティブの教師による英語講習を課し「話す力」の向上に力を入れる。

 進路担当の羽山利男教諭は「検定試験にもしっかり備えるが、成績が加点されても2割程度なので、従来と同様の対策や2次試験への対応を重視したい」と話す。

 同県内の公立進学校も昨年度から希望者に校内でGTECを受験させている。「英検も受けた方がいいか」「どの試験が有利か」などの質問が生徒からよく出るという。英語の担当教諭は「検定試験の活用法が大学で異なり対応しづらいが、英語で問い掛けて即答させたり意見を書かせたりして、以前より授業で4技能を意識している」と語る。

 岐阜県内の進学校に通う高2の女子生徒(17)は「学校でGTECを受けたが、話す力を測る試験はみんな戸惑っていた。自信を持って臨んでいたのは英会話を長く習ってきた人。新入試が有利に働く人も、不利になる人も出てきそう」と心配する。

 静岡県立掛川西高で進路指導を担う駒形一路教諭は「どの検定試験が点数が取りやすいかといったテクニック論も出ているが、授業で入試を意識しすぎるのはおかしい。これまで同様に基本的な力が身に付くよう実施していくべきだ」と懸念を示した。

(2019年6月1日)

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