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大学の新聞 中部から世界へ、未来を切り開く

技術の進歩やインフラの整備によって変化を続ける現代において、社会で必要とされる力も多様化しています。
知識や技能を基礎に、思考力や判断力、主体性を持って活躍できる人材がさまざまな場面で求められます。
こうした人材を育むための大学の取り組みや国の支援策などについて、文部科学省高等教育局 学生・留学生課長の塩崎正晴氏に伺いました。

加速する国際化・情報化社会に対し
幅広い専門性や視野を育む大学教育

文部科学省 高等教育局 学生・留学生課長 塩崎 正晴氏
文部科学省 高等教育局
学生・留学生課長
塩崎 正晴氏
― 技術革新が進み刻々と変化を遂げる昨今、教育の現場ではさまざまな取り組みが行われています。文部科学省が推奨する高大接続改革では学生に学力の3要素(知識・技能、思考力・表現力・判断力、主体性・多様性・協働性)が求められるようになりました。こうした改革にはどのような背景があるのでしょうか。
 今の日本が直面する、生産年齢人口の急減、グローバル化の進展や情報化社会などの課題に対応するには、これまでと同じ教育を続けているだけでは、これからの時代に通用する力を子どもたちに育むことはできません。知識基盤社会の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要であり、こうした改革に取り組んでいるところです。また、経団連と大学で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、Society 5.0時代といわれる次世代の社会では、道筋を立てて物事を考えられる論理的思考力や規範的判断力をベースに、専門知識や技能を駆使して課題を解決ができる人が求められるとする「中間とりまとめと共同提言」をこの4月に公表しました。今後、さらに加速する国際化・情報化社会を生き抜くためには、主体性を持ちながら多面的に物事を考え、他者と協働できる力も必要です。こうした力を育むには文系理系を問わず、大学で幅広く学ぶことが重要とされています。
― 時代の急激な変化に伴い、企業側の採用ニーズに変化はありますか。
 平成30年度の大学(学部)卒業者の就職率は97.6%で高い傾向で、民間調査会社の調べでは、大卒の求人倍率も1.83倍で前年より0.05ポイント減少していますが、高水準を維持しています。こうした中で企業側は学業だけではなく、大学生活などを通して得たコミュニケーション力、問題解決力などの力を身につけた学生への採用意欲を今まで以上に高めているようです。
― 国際化も進み、中部圏の大学でもグローバル教育に力を入れる大学が増えています。国としては、学生の留学支援や外国人留学生の受け入れをどのように推進していますか。
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 国は大学の国際競争力、教育力の向上や、人的ネットワークの拡大などを目的に、2020年までに留学生を30万人受け入れる計画を進めています。真に日本で学びたい気持ちがあり、学業成績が優秀な外国人留学生に対しては国費、私費留学ともに支援も行っています。一方で日本人学生は現在、約6万人が海外留学をしており、国としては2020年までに12万人に増やす考えです。国費による留学は主に学力が優先となりますが、2014年から展開する官民協働プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」は、チャレンジ精神や意欲、実践的な学びをしたいという学生が自らプログラムを作成する制度です。留学先ではインターンシップにも参加し、世界の人々や企業と関わりを持ちながら積極的に学んでいます。学生は海外でのさまざまな経験を通して、自分の課題に取り組むことで柔軟な考え方や多様性、自信を身につけることができます。大学時代は専門的な勉強はもちろん、多彩な経験を積みながら、社会で必要とされる力を養っていくことが大切です。
― 世界で活躍できる人材となるために重要な大学選びのポイントを教えてください。
 各大学は建学の精神に基づき、特色や教育理念などを反映したアドミッション・ポリシー(大学の受け入れ方針)、ディプロマ・ポリシー(大学の卒業認定・学位授与に関する方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)の3つのポリシーを提示しています。ぜひオープンキャンパスなどへ足を運び、大学はどういう人を受け入れたいのか、また大学でどういうことを学び、経験できるのかを調べ、大学を選択してほしいと思います。

学びの垣根を越えた大学の役割
地域との連携による活性化にも期待

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― 大学と地域との関わりも深くなってきていますが、地域活性化のための国の取り組みや支援を教えてください。
 昨年、中央教育審議会では2040年に向けた高等教育のグランドデザインの答申を行い、「地域連携のプラットフォーム(仮称)」を提唱しました。地域連携のプラットフォームとは、大学と地域の産業界・自治体が、具体的な連携について議論を行う場のことです。大学は中心として、教育の垣根を越えた役割を果たしながら地域で活躍できる高い能力を持った人材育成を行うとともに、地域活性化の一端を担っていくことが求められます。また国公私立の枠組みを越え、各大学の機能や強みを生かした連携も課題であり、国としてはこうした連携推進のための制度を作る必要があると考えています。さらに学生が地域に根づいて活躍できるよう、奨学金の返還を支援するための基金を造成する自治体が増加し、現在は32府県でこの施策が行われています。IT技術が進歩した現在では、企業も場所を問わずオフィスを構えることができ、自治体では企業誘致も積極的に行っています。こうした地域を拠点に世界的なビジネスを手がけるチャンスもありますので、大学で身につけた力を発揮し、地域から国を越えて活躍できる人になってほしいと思います。
 北陸新幹線開通時がそうでしたが、地域の環境は交通インフラによって大きく変化します。リニア中央新幹線完成によって東京・大阪・名古屋の三大都市圏が結ばれる未来の社会を見据えると、地域社会のあり方、関わり方が今後大きなキーワードとなっていくことでしょう。
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― 2020年4月からは大学教育の無償化も始まります。
 2020年4月から高等教育の修学支援新制度が始まります。住民税非課税世帯と準ずる世帯を対象に、大学等で学びたい意欲がある学生に対して、返還不要の給付型奨学金の支給と授業料等減免を行う制度です。大学等へ進学後、自立して社会で活躍できるように国もしっかりサポートしていきます。
― 最後に、これから大学をめざす皆さんへアドバイスをお願いします。
 先生や先輩のアドバイスを聞きつつ、ぜひ「行ける大学」ではなく「自分が行きたい大学」へチャレンジをしてほしいと思います。また大学は入学がゴールではなくスタートです。大学での多様な学びと経験を通して、ぜひなりたい自分を見つけてほしいと思います。

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※大学の新聞に掲載されている内容は、令和元年7月4日時点の情報です。

※名古屋芸術大学、名城大学は除きます。

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