中部の大学関連ニュース

微細プラごみ 伊勢湾、琵琶湖も汚染 工業、農業、生活から… 生物への影響懸念

伊勢湾の海底の泥に含まれていた微細なものをふるいにかけ、マイクロプラスチックを探す千葉賢教授(奥)と学生たち=三重県四日市市の四日市大で
伊勢湾の海底の泥に含まれていた微細なものをふるいにかけ、マイクロプラスチックを探す千葉賢教授(奥)と学生たち=三重県四日市市の四日市大で

 プラスチックごみの海洋汚染が問題となる中、中部地方でも細かく砕けるなどして回収が困難になった「マイクロプラスチック」による汚染の実態が明らかになりつつある。伊勢湾で産業由来のものが多く見つかったほか、淡水域でもポイ捨てごみが原因とみられるものが確認された。生態系への影響が懸念されるだけに、専門家は適切なごみ処理の徹底を呼び掛ける。(河北彬光)

 伊勢湾北西部にある三重県四日市市の吉崎海岸は、ウミガメが産卵する砂浜として知られる。清掃が行き届き、ごみは少ないように見えるが、四日市大の千葉賢教授(沿岸海洋環境学)の調査で多様なマイクロプラが確認された。

 5ミリ以下で微細なマイクロプラは、環境中の化学物質を吸着する性質がある。海、淡水の魚の体内や貝から見つかった例もあり、食物連鎖による生物濃縮の恐れが指摘されている。

 伊勢湾の海洋ごみを研究する千葉教授は5月、ゼミ生と海岸500メートルで11地点から砂を採取。ふるいで1ミリ以上のマイクロプラを探した結果、計780個が見つかった。最も多いのが農業肥料に含まれる「徐放性(じょほうせい)肥料プラスチック」で全体の56%。主に漁業用ブイなどの発泡スチロールが砕けた「発泡プラスチック」が25%、生活ごみなどが砕けた「硬質プラスチック」、プラ製品の材料となる粒状の「レジンペレット」がそれぞれ7%と続いた。

 「徐放性肥料プラ」は時間をかけて効き目が出るよう、肥料の粒子を覆う素材として使われる。田畑で広く普及することから、川から流れ込んだらしい。千葉教授は「環境にどのくらい影響があるかは不明だが、伊勢湾がマイクロプラで汚染されているのは確かだ。農業団体はプラが含まれる肥料がどこでどの程度使われているか実態を調べ、漁業団体は発泡スチロールが流れ出ない取り決めを作る必要がある」と指摘する。

 滋賀県の琵琶湖では2015年、京都大の研究チームが27カ所で調査。0.315ミリの網を使って調べると、表層水1立方メートルから平均0.35個、乾燥した湖底の泥10グラムから平均4.6個のマイクロプラが見つかった。

 淡水での汚染実態はあまり明らかになっていないが、ポイ捨てされたプラごみなどが湖に流れ込み、劣化して砕けたとみられる。調査した田中周平准教授(環境工学)は「ごみは適切に廃棄し、落ちたごみは小さくなる前に拾わなければならない。便利さを追い求める一方で、リスクがあることを考えるきっかけにしてほしい」と話している。

(2018年11月7日 中日新聞朝刊17面より)

■関連大学はこちら
四日市大学

[2018.11.07]

一覧を見る