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技術 中国伝来裏付け 県立芸大・太田教授ら 有田焼材料解析

 県立芸術大の太田公典教授らのグループは、あいちシンクロトロン光センター(瀬戸市)と共同で、「有田」(佐賀県有田町)で陶磁器を焼いた技術が中国から伝来したことを、日本で初めて、焼き物に使われている材料の解析で裏付けることに成功した。(中村禎一郎)

 17世紀に誕生した有田焼には、青色の顔料で絵付けをする「染め付け」の技法が使われている。染め付けは、焼き物の形や文様を元にした研究により、中東からシルクロードをたどって日本に伝来したとされている。

 太田教授らは、「シンクロトロン光」と呼ばれる電磁波を使って、青色の顔料を解析。中国、日本、中東で出土した140点の染め付けに含まれるコバルト、マンガン、鉄の量を測定した。

 その結果、14世紀の中国の顔料にはコバルトや鉄が多く含まれているが、時代とともに減少し、17世紀にはマンガンが増加していることが判明。鉄、コバルトが多い14世紀の顔料成分は中東と、17世紀はマンガンが多い日本の成分とそれぞれ合致した。

 この測定結果は、14世紀に中東から中国へ、17世紀に中国から日本へ伝わったとされる通説とも符合している。

 太田教授らは、中東から中国に広がった顔料が14〜17世紀に大きく改良された後、日本に持ち込まれたと推察している。

 あいちシンクロトロン光センターは、県やトヨタ自動車グループをはじめとする財界が設立した「科学技術交流財団」が運営している。センターは、物質をナノメートル(100万分の1ミリ)レベルで測定することが可能。これまでは難しかった顔料内の鉄、マンガン、コバルトの原子の数を観察することで、それぞれの含有量を突き止めた。

 太田教授らは10月の東洋陶磁学会で研究成果を発表した。県陶磁美術館(瀬戸市)で来年1月14日まで開かれている特別企画展「染付・懊蕕寮こΑ廚凌渭燭砲癲研究成果を掲載している。

(2017年11月8日 中日新聞朝刊県内版より)

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[2017.11.08]

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