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介護食に復興の味 石巻産で「穴玉丼」 名古屋学芸大生 現地インターンで考案

開発に携わった「穴玉丼」を手にする神村美帆さん(左)と河野呼春さん=愛知県日進市の名古屋学芸大で
開発に携わった「穴玉丼」を手にする神村美帆さん(左)と河野呼春さん=愛知県日進市の名古屋学芸大で

 名古屋学芸大(愛知県日進市)の学生が考案した宮城県石巻市産のアナゴを使った介護食が、森永乳業グループによって商品化された。東日本大震災被災地でのインターンを通じ、現地の水産加工会社と連携して開発した自信作だ。 (森若奈)

 商品化に携わったのは、いずれも管理栄養学部4年の神村美帆さん(21)と河野呼春(かわのこはる)さん(22)。考案したアナゴの卵とじは、森永乳業の介護食販売子会社「クリニコ」(東京)から「やわらか亭 穴玉丼」として3月に発売された。

 独自製法で蒸し焼きしたアナゴは軟らかく、歯のない高齢者でも食べられる。調理もレンジで温めるだけで簡単。河野さんは「アナゴがおいしく、卵もふわふわ。病人食としても食べてもらえる」と、商品を手に話す。

 商品化のきっかけは、2015年3月、学生が被災地で就業体験する復興庁の復興支援インターンに、先輩の学生2人とともに「東北の人の生の声を聞いて現状を知りたい」などと参加したこと。受け入れ先の水産加工会社「ヤマトミ」(石巻市)で、同社商品を使った介護食のメニュー作りを頼まれた。

 4日間のインターン期間中、石巻で水揚げ量が多いサバやアナゴを使って「地元の人においしいと言ってもらえる介護食を作ろう」と構想を練り、4品を提案。ヤマトミ社員の前で発表したところ、アナゴの卵とじが、復興庁に出向中で、発表の場にいた森永乳業社員の目にとまり、商品化が決まった。

 インターンから2年がたつが、2人の被災地への思いは変わらない。被災体験を語ってくれた社員の姿が忘れられず、昨年夏に同社を再訪した。

 商品が完成し、ヤマトミ常務の千葉尚之さん(41)は「彼女たちが来なければできない商品だった」と喜ぶ。神村さんは「いろんな人との出会いで生まれた介護食。東北の食の魅力に触れられるような商品なので、全国の人に食べてほしい」と呼びかけている。

 「やわらか亭 穴玉丼」は6食入り1ケース3564円。通販のみで、購入はクリニコ=フリーダイヤル(0120)520050=へ。

(2017年4月20日 中日新聞夕刊13面より)

[2017.04.20]

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