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聴覚過敏の仕組み解明 三重大 自閉症 早期診断に期待

 自閉症の人に多いとされる聴覚過敏が、脳内で聴覚の中枢を担う神経経路の障害で発症することを、三重大大学院医学系研究科の江藤みちる助教らのグループが突き止めた。音の聞こえ方を調べることで、自閉症の早期診断につながることが期待される。

 江藤助教らによると発達障害の一種の自閉症は他者とのコミュニケーションに支障があり、独特のこだわりなどがある。主に問診で診断するが客観的な基準に乏しく、医師によって判断が異なる場合もある。音が過剰に不快に聞こえる聴覚過敏は自閉症の人の併発が多いが、原因は不明だった。

 実験では、耳から入った音が大脳で認識されるまでに通る脳幹の一部に着目。自閉症の症状を再現したラットの脳内を分析すると、音などの情報を調整する脳幹内の抑制性の神経経路で神経細胞が少なくなっていることなどが確認された。これによって音が過剰に増幅された状態で大脳に伝わり聴覚過敏につながる可能性が高いことが分かった。

 この脳幹の一部は左右の耳から入る音の情報を統合する場所で音が聞こえる方向を識別する機能も持つ。聞こえる方向を尋ねることで脳幹内の異常の有無も分かり、自閉症かどうかも素早く正確に診断できるようになるという。江藤助教は「幼児期など早期に診断できれば社会生活での困難にも早く対応できる。診断のための問診項目に入れるよう働き掛けていく」と話す。

(2017年3月14日 中日新聞朝刊28面より)

[2017.03.14]

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