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お知らせ  2024.06.27

歯と口の健康 宇宙で守るには 愛知学院大 研究部門の設立発表

宇宙歯学研究部門が設置された愛知学院大の(左から)前田教授、木村学長、本田雅規歯学部長=名古屋市千種区の同大で

宇宙歯学研究部門が設置された愛知学院大の(左から)前田教授、木村学長、本田雅規歯学部長=名古屋市千種区の同大で

 愛知学院大(日進市)は26日、名古屋市千種区の同大楠元キャンパスで会見し、国内初となる宇宙歯学研究部門の設立を発表した。人が月面などで長期滞在する時代を見据え、宇宙空間での歯と口の健康維持などを研究する。1年以内に民間人が宇宙旅行する際の歯のガイドライン作成や、水を使わない口腔(こうくう)ケア製品の開発を目指す。

 地球上とは重力や気圧が異なる宇宙環境では、虫歯などの病気がどう進行するかなど未解明のことが多い。同大は昨年12月、大学院歯学研究科内に拠点となる「宇宙歯学研究部門」を設置した。東京歯科大や岡山大、広島大など国内12の歯科系大と連携し、宇宙での生活が歯や口の健康に与える影響を調べる。

 喫緊の課題として、民間人が宇宙旅行中に起こり得る歯科トラブルを未然に防ぐためのガイドラインを作成する。水が貴重な宇宙で、水なしで歯磨きできる薬剤やあごの筋力を維持するためのガムを開発する。製品は、災害時の水不足環境や介護現場で役立てることを目指す。

 将来的には歯学部生の講義に宇宙歯学を取り入れることも検討する。木村文輝学長は「宇宙歯学という新たな領域にチャレンジしていきたい」と抱負。歯学研究科長の前田初彦教授は「月面で長期間生活するには快適に食べること、話すことが欠かせない。宇宙での歯科医療を研究し、成果を地球上に還元したい」と語った。(平井良信)

(2024年6月27日 中日新聞朝刊県内版より)

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