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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2024.06.12

介護者の卵 災害を疑似体験 関 中部学院大で講座

VRで水害を疑似体験する学生たち=関市桐ケ丘の中部学院大関キャンパスで

VRで水害を疑似体験する学生たち=関市桐ケ丘の中部学院大関キャンパスで

■VR、模型実験…「まるで本当みたい」

 本格的な雨の季節を前に災害への備えを学んでもらおうと、関市桐ケ丘の中部学院大関キャンパスで6日、仮想現実(VR)や模型の実験を交えた防災講座が開かれた。介護福祉士を目指す社会福祉学科介護福祉コースの学生10人が参加した。(華原士文)

 同大短期大学部2年の高野晃伸教授のゼミ活動の一環。防災啓発に取り組む一般社団法人「中部地域づくり協会」の犬飼一博・地域づくり技術研究所長(64)と研究員の神谷政人さん(70)が講師役を務めた。

 学生はまずVRを体験。ゴーグルとヘッドホンを装着し、玄関から大雨で氾濫した水が浸水する状況で、避難行動を判断する体験型の映像を視聴した。ミャンマーからの留学生ジュージューモーさん(27)は「まるで本当に体験しているみたいだった。ミャンマーには災害が少ないが、今回のいろんな体験から知識を得られた」と話した。

 講座では、犬飼所長が水害について解説。1976年の安八豪雨から今年5月28日の大雨に至るまで、県内で起きた過去の水害を写真とデータで紹介し「自分がどこに住んでいるか、どこに避難すれば良いのか、普段から考えることが大事」と話した。

 実験では台風時の高潮を疑似再現する模型を用意。水槽に浮かぶペットボトルからポンプで空気を抜くことで、気圧が下がり水面が上がる仕組みを学んだ。

 神谷さんは地震について講義した。東日本大震災を例に、津波が発生する仕組みやハザードマップの重要性を示した。実験には水を多く含んだ砂に建物を置いた模型を使い、液状化現象のメカニズムを伝えた。

 ゼミでは年間を通して災害と介護福祉について学ぶ。高野教授は「学生は将来介護現場で支援する側。有事の際は冷静に対処できるよう経験が必要だが、災害は経験できるものではない。知識でカバーできれば」と期待した。

(2024年6月12日 中日新聞朝刊加茂版より)

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