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スポーツ 2020.09.23

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岐阜第一高等学校 鶯谷高等学校

来月開幕 高校ラグビー県予選 10校18人 強豪校に挑む 合同チーム 初戦突破へトライ

懸命に練習する合同チームの選手ら=岐阜市旦島で

懸命に練習する合同チームの選手ら=岐阜市旦島で

■少ない練習時間 個の力でカバー

 10月11日に開幕する全国高校ラグビー大会県予選に10校18人でつくる「合同チーム」が出場する。コロナ禍で練習時間が限られる中、鶯谷高2年で、スクラムハーフを務める新家選手は「大会に出るからには勝ちたい」と、初戦突破を目標に他校の仲間と楕円(だえん)球を追っている。 (沢田石昌義)

 合同チームには、単独では15人のメンバーがそろわない本巣松陽、岐阜第一、関、鶯谷、長良、加茂、岐阜、加納、岐山、羽島の10校の生徒が参加。少子化の影響もあり、15人制のラグビーも部員数は減少しており、県ラグビー協会によると、10年以上前から合同チームを結成し、花園を目指して県予選に参戦している。年によって、参加校は変わるという。

 5年前には合同チームが新人戦で東海大会に進出し、県外チームを破る快進撃を演じた。小中学校時代にクラブチームで競技を始めた選手も多い。試合の流れを読んでトライにつなげるプレーヤーもおり、チームの推進力になっている。

 ただ、合同チームならではのハンディは何といっても練習時間の少なさだ。全体練習は日曜の週1日のみ。さらに、今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、上半期はほとんど練習ができず、体力面が不安が残る。加えて、スクラムやラインアウトなどセットプレーに割ける時間も例年以上に少なかった。

 一方で強みもある。誰もが進んで大好きなラグビーに向き合い、練習中には選手の笑顔があふれる。指導者の指示をこなす受け身の練習とは無縁だ。岐阜第一高3年で、フッカーの堀田選手は「役割を理解した上で楽しんでラグビーができている」と話す。チーム力では劣っても選手一人ひとりの判断力や責任感でカバーしている。

 大会で着るユニホームも実にユニークだ。チーム独自の試合着があるわけでも、毎年、新調するわけでもない。既に使われなくなり、各校に保管されているユニホームを順々に使用している。今年は大柄FWのサイズに合わせ、鮮やかなスカイブルーが特徴の加茂高ラグビー部のユニホームを選んだ。

 初戦は県内二強に数えられる昨年準優勝の岐阜工。勝ち抜くことは至難だが、篠田邦大監督は「試合があることで選手も頑張れる」と話し、接戦に持ち込むことで勝機を見いだしたいと願う。新家主将は「ラグビーは自分を形づくったもの。一試合でも得られるものは多いはず」と意気込んでいる。

(2020年9月23日 中日新聞朝刊岐阜県版より)

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